元阪神・中谷監督 初采配でV!智弁和歌山が6点差ひっくり返す「第1関門を突破」

 「秋季高校野球和歌山大会・決勝、智弁和歌山9-6市和歌山」(9日、紀三井寺球場)

 智弁和歌山・中谷仁監督(39)が、初さい配した大会で監督として初優勝を果たした。6点差をひっくり返して2年連続15回目のV。和歌山大会は17年春から6連覇となった。同監督は1997年度の阪神ドラフト1位で楽天、巨人でもプレー。今年8月に母校の監督に就任。秋季近畿大会(20日開幕、兵庫)では、17年夏から4季連続の甲子園出場を目指して勝ち上がりを狙う。

 ミラクルを起こした。六回表で0-6からの逆転V。中谷監督は「(敗戦を)覚悟した」と苦笑いしながらも劇勝の余韻に浸った。

 「高嶋監督が育てた選手が引っ張ってくれるので頼もしい。まず和歌山で一番になる目標だった。第1関門を突破しましたね」

 逆転への流れは自ら生み出した。五回終了時に、2安打で0-5。グラウンド整備中に選手へ声を掛けた。

 「甲子園へ行くんやろ?負けられへんぞ!!」とゲキ。「高嶋先生みたいなゲキは飛ばせなかったけど…」と笑ったが、熱意は選手に伝わっていた。

 六回は5安打で5点。七回1死一塁は、4番・東妻純平捕手(2年)が左中間へ逆転2ラン。伝統の猛打で試合をひっくり返した。

 前任は監督として甲子園通算最多勝利68勝(35敗)の高嶋仁氏(72)。名将が今夏の甲子園大会後に勇退したことを受けて、コーチから監督となった。

 実戦練習や、自主練習の時間を増やし、恩師の野球に“中谷色”をプラスしてきた。「センバツに選んでもらえるようなチームを作っていきたい」。視察した高嶋前監督の前で結果を残して、ほっとしたのもつかの間。表情を引き締め、次の戦いへ目を向けた。

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