琉球が悲願の初V!個々が辛抱強く役割果たす 岸本「いろんな人が報われる大会になった」
「バスケットボール男子・天皇杯全日本選手権・決勝、琉球60-49A東京」(15日、国立代々木競技場)
Bリーグ1部(B1)勢同士の決勝が行われ、2大会連続準優勝だった琉球がA東京を60-49で下し、初優勝した。A東京は13大会ぶり3度目の頂点はならなかった。
琉球は前半からクーリーやカークがゴール下で相手を圧倒。リバウンド争いで優位に立つと、岸本らの粘り強い守備も光り、31-24で折り返した。後半も運動量は落ちず最後までリードを守った。カークが両チーム最多の15得点した。
4点差に迫られ、残り1分50秒を切った琉球の攻撃。エンドラインの外へのルーズボールに、身長211センチ、体重114キロの巨漢カークが体を投げ出しながら飛び込んだ。懸命に腕を伸ばし、ボールをコート内へはたき込む。3点ラインの外側でキャッチした小野寺が「無我夢中」で放ったシュートは、リングへと吸い込まれた。値千金の一撃は泥くさいプレーが起点となって生まれた。
お互いに守備の強度が高くロースコアとなった試合。琉球は個々が辛抱強く役割を果たした。体を張ってリバウンドを拾い続けたのはゴール下の要のカークとクーリー。たとえシュートが外れても、味方が拾ってくれるという安心感は思い切りのいい攻撃も生む。残り47秒では岸本がマークに付かれながら難しいレイアップを成功。「(外れても)頼んだという感覚だった」。仲間への信頼が迷いを消した。
全国でも指折りの競技人気の高さで知られる沖縄。地元で愛されるチームは、2大会続けて決勝で涙をのんだが、節目の第100回で悲願を成就させた。クラブ一筋の岸本は、旧bjリーグ所属時代は出場枠さえない時期もあったことを回想し「いろんな人が報われる大会になった」。しみじみと語った。