高安 初優勝王手!2敗死守で単独首位 35歳の「恩返し」誓う 千秋楽V逸過去7度「明日もあさっても勝ちたい」
「大相撲春場所・13日目」(21日、エディオンアリーナ大阪)
平幕の高安が悲願の初優勝に王手をかけた。若元春を突きだして2敗をキープ。3敗で追う尊富士、玉鷲、安青錦が敗れ、2敗で並んでいた大関大の里が関脇王鵬に押し出された。きょう高安が勝って大の里が敗れれば、35歳0カ月、年6場所制となった1958年以降歴代2位の高齢初優勝が成就する。大関琴桜は尊富士をはたき込んで勝ち越し、かど番を脱出した。
日に日に大きくなる声援。高安は意気に感じていた。「期待を込めて会場に来ていると思うので、声援に応えられてうれしい」。表情を変えず、静かに喜びを口にした。そして「こういう状況で相撲を取れるのは幸せ。生きているな、という感じがする」と、しみじみと語った。
左四つが強い若元春。最初の立ち合いはつっかけ、2度目は初手から高速回転の突っ張りを展開。勢いを落とさず、距離を詰めさせず、最後まで突き切った。「どんどん前に出られた。思った通りの相撲でした」と、胸を張った。
悲願に王手をかけた。大の里が3敗に後退し、3敗だった3力士が全滅。14日目で高安が美ノ海を下し、大の里が敗れれば、旭天鵬の37歳8カ月(2012年夏場所)に次ぐ高齢初優勝が実現する。重圧を問われ「緊張感はありますが勝つことが(声援への)恩返し」と語った。
苦い経験がある。22年春場所は13日目で単独トップに立ったものの、残り2日を連敗。優勝決定戦の末、若隆景に賜杯を許した。同年九州場所は14日目に単独トップに立ったものの千秋楽、決定戦で阿炎に連敗し優勝を逃した。千秋楽に優勝の可能性を残したケースは過去に7度もある。
八角理事長(元横綱北勝海)は大の里の取組前、高安の優勝を「二つ三つ差がついても逆転されてる」と語り、優勝に王手をかけた取組後も「まだ、ぜんぜん。4敗(の力士)も分からないよ」と不安視した。
勝負弱いという汚名返上へ。高安は「一生懸命頑張って、明日もあさっても勝ちたい」と誓った。
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