最終18番をバーディーで抜け出した平石は会心の笑顔を見せる
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17番でバーディーパットを外し悔しがる井戸木鴻樹
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最終18番2オンに失敗した小黒貴志、バンカーからも寄せきれずパー
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平石 地元大会制覇!!
「2006兵庫県オープン・ゴルフトーナメント」最終日は9日、 初日11位タイだった地元兵庫県出身の平石武則(46)=芦屋CC=が1イーグル、6バーディーの64で回り、通算11アンダーで大会初優勝。賞金300万円と来季の日本プロ選手権の出場権を手にした。1打差の2位タイは63で回った井戸木鴻樹(44)=フリー、上森大輔(30)=フリー、田中健太郎(25)=ゴールデンバレー=の3人。ベストアマは通算4アンダーの小黒貴志(25)=三木セブン=が獲得した。
▼1イーグル6バーディー
最終18番で頭一つ抜け出した。平石は1メートルのバーディーパットを難なく沈め、井戸木鴻を1打差でかわした。「入れたら勝てると思っていたよ。この大会は初優勝やし、ホンマよかった」。6月のアオノオープン(デイリースポーツ社後援)に続く地元・兵庫での勝利に胸を張った。
前半を6アンダーで折り返した。ふとリーダーズボードを見やると、トップに井戸木鴻の名前があった。「鴻樹は同じ関西やし、負けられないなと思った」と、闘志に火がついた。11番ロングでイーグルを奪うと、後半だけで5アンダー。勝負強さを発揮した。
ホールアウト直後、左手首にアイシングを施した。「初日の後半から痛み始めた。まあ大丈夫ですよ」と笑い飛ばしたが、内側にひねると激痛が走るほど状態は悪かった。ツアー競技に出場した先週末から連続のラウンドは、プロ23年目のベテランの体には、大きな負担となっていた。
それでも最後まで戦い抜けたのは、ツアーの第一線に返り咲きたいという思いがあったからこそ。シード権を喪失した今季は、優勝賞金の300万円も、マンデーやチャレンジツアーの経費に消える。「正直、金銭的にも助かりました。レギュラーツアーには、無理をしてでも出たいですからね」と力を込めた。
東洋大姫路高時代、77年の夏の甲子園で優勝してから29年。今年は親子ほど年の離れた後輩たちが、大会6日目に登場する。「いいところを見せられたかなあ。僕もどんどんツアーに挑戦しますよ」。白球に魂を込めて、24日からのKBCオーガスタで5年ぶりのツアーVを目指す。
▼2位タイ井戸木 1打及ばず
前日1アンダーの井戸木鴻が、9バーディー、ノーボギーの猛チャージで一時は単独首位に浮上。1打及ばず優勝は逃したが、ツアー後半戦での巻き返しへ向け、きっかけをつかんだ。
前日はパットが決まらず「戦闘意欲ゼロ」と話していたが、一日で大変身。前夜、これまでずっと左目だと思っていた利き目が、実は右目だったことに気付き、ラインの読み方を変えたという。これが大成功。圧巻のバーディーラッシュにつながった。
「きょうは楽しくプレーできた。ショットはずっと調子がいいので、あとはパットだけだった。後半戦へいい形で臨める」。シード奪回へこれからが正念場。ゴルフ番組などでもおなじみの人気者だけに、ギャラリーからも「頑張って」と多くの声援を受けていた。
▼20位タイで大会初アマV逃すも 小黒ベストアマ
初日は首位と2打差の6位タイにつけ、大会初のアマチュア優勝が期待された小黒だが、この日はスコアを伸ばせず、20位タイに終わった。
「アプローチパットがイマイチでした。スコアが悪かったので、かなり疲れました」と不満げな表情を見せたが、ぶっちぎりでのベストアマ獲得には「これまで何度も挑戦してきたけど、ずっと取れなかった賞なのでうれしいです」。昨年の大会ではまさかの予選落ちも経験しており、そのリベンジも果たした。
9月に最終プロテストを受験する。「合格は大丈夫だと思う。自信を持ってプレーしてきます」。来年の大会は「小黒プロ」として姿を見せてくれることだろう。
▼宇佐美がベストスコア賞獲得
妙見富士CCの提供で設けられたベストスコア賞は、63で回った井戸木鴻と宇佐美が獲得した。35歳の宇佐美は昨年プロテストに合格したばかり。それまでは婦人服の生地を扱う営業マンだった。「ベストスコアは67だったので上出来です」。今年のよみうりオープンではマンデーを突破してツアー出場も経験。結果は予選落ちだったが、将来が楽しみな変わり種だ。
▼上森&田中健2位タイ!!
井戸木鴻とともに2位タイになったのは上森と田中健。上森は阪神ゴルフセンター大正店でレッスンをする一方で、チャレンジツアーにも参戦中。「関西オープンで上位に入り、日本オープンに出場するのが当面の目標」。田中健は昨年プロテストに合格した新人。「今後の自信につながります。予選会で上位に入り、ツアー出場したい」と話していた。
〈ナイスショット ミスショット〉
▼中川勝弥(ツアーシード選手。4年前の覇者は10位タイ)
「大会のレベルが上がりましたね」
▼井田安則(初日首位も10位タイ)
「パターが全然入らなかった」
▼大前和之(初日首位も16位タイ)
「8番ロングのOBが痛かった。悔しいけど、いい経験をさせてもらいました」
▼中村陽平(5位タイ)
「2日間ともスコアを出せたことは今後の自信になります」
▼佐藤剛(山梨から参戦。8位タイ)
「これを励みにツアーに出れるように頑張りたい」
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