めるるじゃなくて 女優・生見愛瑠「イメージついていただけたら」 ドラマ「セクシー田中さん」で初のOL役
モデル、バラエティー、女優と幅広く活躍する生見愛瑠(21)は今、演じることの楽しさに夢中だ。放送中の日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」(日曜、後10・30)では、主人公・田中さん(木南晴夏=38)に憧れる派遣OL・倉橋朱里役を好演。初のOL役に「テンション上がりますー」とクシャッと笑い、「女優さんのイメージがもっともっとついていただけたらなと思います」と、未来に思いをはせている。
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役衣装の制服姿で、“生見愛瑠”としての未来を口にした。
“めるる”として若年層から絶大な支持を集める中、演技の楽しさに夢中の現在地。「役名で呼ばれるようになったりとか、“めるる”って呼ばれるんじゃなくて、女優さんのイメージがもっともっとついていただけたらな」。身を乗り出し、思いを言葉にした。
今作では愛され女子でありながら、モヤモヤとした生きづらさを抱えるOL役を演じる。「結構、世間から思われているイメージと自分のイメージが若干違うなって思うことはあるので。そこは朱里と一緒」と、自身と重ね合わせ、制服を着ての演技には体を揺らして喜びを表現。「ずっと着てみたいなと思っていて。着られてうれしいです。テンション上がりますー」と破顔した。
これまでは「暗い役とかが多かった」といい、「THE・今どきの女子」は初めて。「女子力を上げなきゃと思って、普段しない美容法をしたりとか、ネイルサロンに行ったりとか、普段はつけない香水で甘い香りをつけてみたりとか」と役作りの一端を明かし、「周りのモテ女子のしぐさを見てました」とこだわりを明かした。
女優デビューから約2年。22年には日本アカデミー賞新人俳優賞に選ばれるなど、演技力は高い評価を得た。そんな生見の憧れは杉咲花(26)。21年の日本テレビ系ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」で共演し、強度の弱視の主人公を演じる姿に「演じてる感がないというか、その人のそのものにしか見えない。セリフも聞き入っちゃうっていうか、自分のセリフを忘れるぐらい、めっちゃ心に来る」と、圧倒されたという。
自身も「どうやって読み回ししたらリアルに落とし込めるかっていうのを意識はしてます」と試行錯誤の日々を送る。そんな中、レギュラー出演中の日本テレビ系「ヒルナンデス!」で共演するウッチャンナンチャン・南原清隆(58)からの言葉が染みた。「演じてない感じがすごい好き。自然な感じがめるるにしか出せないから、すごく好きだよ」。取り組みを認めてくれる言葉に「すごく励みになりました。優しい」と笑顔が広がった。
さっそうとランウェーを歩き、バラエティーで笑顔を届け、台本を覚える。ドラマ出演が途切れず、目が回るような忙しさでも「毎日が楽しい。今、それこそ刺激あるメンバーとやっているから勉強になる。このスケジュール感でセリフ覚えながら他の仕事をするっていうのは大変だけど、楽しい方が勝ちますね」と、前向きに捉えている。
モットーは「全力で楽しむこと。しんどくなったら終わりだと思っているから」とポジティブを貫く。私生活では「外は出ないですね。美容室に行くぐらい」という極度のインドア派。「友達もいない」と苦笑いし、共演者とも「自分から仲良くできない」という意外な一面を告白した。
女優としての飛躍を誓う一方で「今回の作品で木南さんとご飯に行くことを目標に頑張ります!」。どこまでも朗らかに一歩一歩、まい進していく。
◆「セクシー田中さん」あらすじ 「セクシー田中さん」は、発行部数100万部を誇る芦原妃名子氏の同名漫画のドラマ化で、本当の自分を見つけ出す自分解放ラブコメディー。12日の放送が第4話となり、物語は中盤を迎える。
四十肩と診断され闇落ちする田中さん(木南)を救うため、朱里(生見)はちゅうちょした末に、いい病院を知っている進吾(川村壱馬)と久しぶりに再会。本音を打ち明けるが「田中さんにも依存しているのでは?」と指摘される。朱里は揺れる気持ちにケリをつけるため、ベリーダンスのショーへの出演を決意するが…。
◇生見愛瑠(ぬくみ・める)2002年3月6日生まれ、愛知県出身。12年にモデルデビューし、現在はCanCam専属モデル。“めるる”の愛称で親しまれ、テレビ番組でも活躍、幅広い世代から人気を集めている。21年に日本テレビ系ドラマ「おしゃれの答えがわからない」で女優デビューし、立て続けにドラマ出演。22年、「モエカレはオレンジ色」で映画初出演を果たし、第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。