上白石萌音「将棋の達人×法律家」難役への壮絶努力明かした 主演ドラマ「法廷のドラゴン」テレ東史に名を刻む大ヒット

 ドラマで好演を見せる上白石萌音(撮影・佐々木彰尚)
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 女優の上白石萌音(27)が高評価を得ている。テレ東系ドラマ「法廷のドラゴン」(金曜、後9・00)に主演。将棋は全くの未経験ながら「将棋の達人」と「法律家」の二面性を持つ天童竜美役を演じるため、涙ぐましい努力を積んできた。その結晶とも言える作品の第1話の視聴率は同局のゴールデン帯ドラマ枠で歴代最高を記録。「TVer」動画配信も同枠史上最速100万回を突破した。デビュー14年目で芝居に磨きがかかる“努力家”の素顔に迫った。

 配役が決まり心は躍ったという萌音。一方で、不安がなかったわけではないとも明かした。

 「一度も将棋をやったことがなかったんです。それでも、ドラマの中では18年間、やっている人の所作に見せないといけない。わりと今まで明るいドジっ子キャラを演じることが多かったので(竜美と)自分とのギャップを必死に埋めようとしました。普段、ロー(感情が低く)で生きているので、追いついていけるかなという思いでした」

 レンズの大きいメガネをかけて将棋を指し、法廷では勝訴を目指して内なる闘志を燃やす。そんな主人公を演じられるか。危機感を抱きつつも役作りへと傾注した。努力は裏切らない。7話を終え視聴率も好調。7日にいよいよ最終話を迎えるが、見ている知人や関係者から称賛の声が多かった。「『職場ですごくはやっているよ』と言っていた友達もいて、うれしかった。誰と見ても家族で見ても気まずい瞬間がない間口が広いドラマとして、いろんな方に受け入れられているのがうれしいです」と安どした。

 竜美になりきるためにまずは将棋と法廷についての知識を得ることから始めた。将棋本と子ども六法、法律入門書が自宅にはどっさり積まれている。実際、女流棋士から直接指導を受け、プロっぽい指し方や、いかにも強そうと見られる対局での振る舞いなども事細かに教わる。「将棋って知れば知るほど、読みが深いです。皆さん頭がいいなと」。大盤で将棋を指しながら法律を解説するシーンは、SNSでも話題となったが、解説者さながらに見せようと寝室でも練習した。「朝起きて見える位置に置いて、すぐにできるようにと。毎日、朝晩練習をしました」と笑って振り返る。指しながら台本を読み、将棋の戦法も覚えるほどのめり込んだ。

 弁護士としてのリアル感を出すためにも努力は惜しまず、実際に東京地裁で民事裁判を傍聴に出向いた。役では和装で法廷に立つシーンが話題になっているが「皆さんに斬新だねって言われます(笑)。いないですよね、そんな法律家の方。動きづらかったですが、ルール的には問題ないみたいです」。スーツで歩くよりも、歩きづらさはあるが、法廷での所作は実際に見た検察官の動きを参考にした。「検察官が女性の時があって、冷静に淡々と詰めていたので、その方をモデルにして、法廷のシーンを作っていきました。本当にドラマみたいなことが起きているんだなって。なるべくリアルにしたかった」。本職を洞察した結果が、法廷での演技につながったと納得する。

 役作りについては年々、深く考えるようになっているという。2011年、中学生で女優デビューしてから14年。仕事は充実の一途で、東京生活が長くなった。その中で、故郷の鹿児島の良さを再認識する時間も増えた。「東京が長くなればなるほど、地元に帰って、方言の良さを感じますね。あの言葉で優しくされると、すごくほどけるような」としみじみと言う。

 そんな思いにふけりながら、今の関心事を問うと「去年はよく風邪をひいたので、基礎体力をつけようと思っています」と笑う。無類の読書好きで自身をインドア派と評するが、アウトドアにも挑戦する気持ちも芽生えてきたという27歳。「なるべく外に出たくないんですけど、基礎体力でどうにかなる年齢を過ぎようとしているので、ちゃんと努力して体力を身につけたいですね」と笑みをこぼした。昨年、大学を無事卒業。仕事一本となり演じ手としてますます磨きがかかり、自分磨きも怠らない。「法廷-」への手応えを経て、2025年も飛躍する。

 ◇上白石 萌音(かみしらいし・もね)1998年1月27日生まれ。鹿児島出身。明大卒。2011年に「東宝シンデレラ」オーディション審査員特別賞を受賞。同年、NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国」で女優デビュー。14年には映画「舞妓はレディ」で初主演し、15年に日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。20年にはTBS系ドラマ「恋はつづくよどこまでも」で主演。24年に「第16回TAMA映画賞」最優秀女優賞受賞。同年には映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」出演。25年は映画「35年目のラブレター」に出演。上白石萌歌は妹。身長152センチ。

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