知らなかった筧美和子 不器用な自分だからこそ思いもよらぬ自分に出会う 6日に30歳

 女優・筧美和子(30)が4月26日に7年半ぶりの写真集「ゴーみぃー」(集英社)を発売する。男女シェアハウス生活を記録した「テラスハウス」のブレークから約10年。ドラマ、映画と女優業の幅を広げ、昨年は念願の舞台デビューも果たした。「テラスハウス美女」からの脱皮を果たし、6日に30歳の誕生日を迎えた筧が、紆余(うよ)曲折の道のりを振り返った。

 毎週のように週刊誌グラビアを飾り世間をにぎわせてきたが、一度はグラビア活動休止を決意。結果、写真集のブランクは7年以上にも及んだ。当時の心境を筧は「言葉を選ばずに言うと(グラビアは)消費されていくものっていう感覚がずっとあって。息苦しいじゃないですけど…。一度離れないと、納得いく形にならないんじゃないのかなって」と率直に打ち明けた。

 一方、本格的に女優業に進出し、テレビドラマ、映画、舞台と順調に経験を積み重ねてきた中で、変わらずに抱え続けていた思いもあった。

 「グラビアで私を知ってくださった方もいます。写真も好きだし、自分のルーツでもあると思っていて。だからこそ、本質に近づきたいなと。しっかり写真として、誰かの中に残れたらいいな。そんな方法をずっと考え続けていました。(グラビアを)一度離れて、でも、いつか答えを見つけられたらって、いつも考えていました」

 7年半ぶりの写真集は写真家・佐内正史氏にオファーした。ショートフィルムの撮影監督を務め、壮観な風景写真でも知られる同氏に「ダメで元々」と依頼し、快諾を得たことからスタートした。

 「すごく新鮮でした。『きょう暇です』って連絡して撮ってもらったり。ただ、ただ、漫画の話をして終わる日もあって。私服でメークもしているような、していないような。自分で運転して佐内さんの事務所に行って散歩しながら撮ったり。風景の一部のようでもあり、しっかりと人を撮ってくれてもいて。グラビアっていう自分の原点を改めて感じることができました」

 東京、沖縄、長崎県・福江島(現五島市)と巡り、納得のいく形を模索して臨んだ。充実の日々をかみしめながら、支え続けてくれた人たちへの感謝があふれる。

 「このお仕事をしていたら、ウソをつかなきゃいけない瞬間もあるし。それでも、自分が大好きなものは本物を追求したくて。いろいろ考えながらやってきたことが正直に今回の写真集には出ています。テラスハウスやグラビアの頃に知ってくださった方にもしっかり届けることができたらいいなと思っています」

 原点と位置づけるグラビアへの思いを明かし、女優業のターニングポイントとなった出来事も振り返った。2018年公開の出演映画「犬猿」での一幕だ。

 「(上手に)できないながら演じていたら、監督がモニターを見たまま泣いてくれていたんです。私もどうにか自分の殻を破ろうとしていたときで。プツンって爆発したように自分でも知らなかった自分が出せた。技術は全然足りていなかったんですけど、何かを届けられたのかなって」

 不器用な自分とまっすぐに向き合い、もがいてきたことを少しだけ誇らしく思えた。

 「(妥協して)このくらいでいいかなっていうことを、なぜできないんだろう?と思ったときもあるんですが。でも、そんな自分だからこそ、知らなかった自分に出会えたりすることもあるのかなって。自信がないながらに、こんなふうに心が震える瞬間があるなら今後もやっていきたいと思えました」

 言葉通りに、近年は幅広い役柄を演じられる女優として開花。コメディーからシリアスまでジャンルを問わず、数多くの作品に出演する。そんな筧に「グラビア写真集は今回が最後になりそうですか?」と問いかけると「今できる最大限を残せたかなって思うぐらいで。うーん、そのときにならないと分からないです。気が向いたらやるかもしれないですね」。いつか、また出会う「知らなかった自分」を思い浮かべながら穏やかにほほ笑んだ。

 ◇筧美和子(かけい・みわこ)1994年3月6日生まれ、東京都出身。身長164センチ。血液型AB。2013年、男女シェアハウス生活を記録したフジテレビ系「テラスハウス」に出演しブレーク。2014年から5年間、ファッション誌「JJ」の専属モデルを務める。現在は女優としてドラマ、映画、舞台と幅広く活動中。趣味は絵を描くこと。特技はバレーボール、クラシックバレエ。

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