中条あやみ「信号が青に変わった瞬間に出ます」「完全に関西人」イメージ真逆!? 尼崎舞台の映画で新境地

 映画「あまろっく」(兵庫県先行公開中、19日全国公開)でダブル主演の1人を務める女優・中条あやみ(27)が「こんな中条みたことない!!」と評判だ。兵庫県・尼崎を舞台にした、風変わりな構成の家族物語。自宅から撮影に通ったなにわっ子は、落語家の笑福亭鶴瓶(72)と年の差夫婦を演じ、関西弁で笑いと涙を誘う新境地を見せている。反響を受け、本人に「どないでっか?」と聞いてみた。

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 中条の関西なまりが新鮮だ。クールビューティーな印象を受けるが、本人を前にすると、実に冗舌であっけらかん。「根は完全に関西人ですね。信号が青に変わった瞬間に出ます。渋谷交差点で一番最初に歩き出す人がいたら、それはたぶん私です。せっかちで、コスパにうるさくて、安くておいしいものが大好きです!」。関西あるあるを自身と重ね、面白そうに笑った。

 尼崎を舞台に関西出身のキャストが集結。中条は、実家に出戻ったもう1人のヒロイン・優子(江口のりこ)の家に年下の義母としてやってくる若妻を演じる。鶴瓶との年の差夫婦、江口との年齢逆転親子が味わい深く、骨身に染みた“なにわ魂”で行間に笑いをにじませる。

 撮影には大阪の実家から通い、家で台本を読む際は母に相手役をお願いした。関西弁のイメージは強くないが「今は慣れましたけど、標準語だと変換してる感じがあります。違う言語みたいというか、関西弁の方が素に近い感覚がありますね」と説明する。中村和宏監督も「よく『関西弁を2時間もしゃべってる中条あやみは見たことがない!』と言われます」と続け、反響の大きさを証言した。

 鶴瓶との年の差夫婦を演じるに当たり、中条はクランクイン前から秘策を導入。スマホに鶴瓶のシールを貼り「『この人が旦那さん、この人が旦那さん』って暗示をかけていた」という。最初のシーンでは心の距離を縮めるため、本番直前に鶴瓶の耳に息を吹きかける秘技・耳フーフーを駆使。一緒に尼崎の神社を訪れるなど豊穣な時間を過ごし「師匠が人としてリスペクトできる方だったので、最初は尊敬していたところから恋愛が始まる関係というか、すてきが愛情に変わるのかなって。鶴瓶さん以外の方だったら、この映画になっていなかったなと思います」と振り返る。

 自身はイギリス人の父と日本人の母を持ち、12歳上の姉がいる次女。家族について聞かれると「普通の家族ではないです。家族のグループチャットの名前が『アダムスファミリー』で、みんな個性的過ぎるんだけど、まとまる時はまとまる。なんとか家族やってる、って感じです」とこの日一番の笑顔を浮かべた。

 映画には中村監督の、ある実体験が反映されている。劇中で印象的に語られる「人生に起こることは何でも楽しまな!」というセリフは、かつて阪神・淡路大震災の被災者から言われた言葉がもとになっている。

 MBS企画に所属する中村監督の新人AD時代に大震災が発生。被災地に派遣され、取材を重ねる中で「何を撮ってんねん!そんな暇があったら人を助けろ!」と胸ぐらをつかまれることもあったという。

 被災者の思いを理解しつつも今は撮ることが自分の仕事だと言い聞かせ、取材を続けた。「その年の大みそかまで通い続けて、被災者の方に仲良くしていただきました。テント村で年越しをしたとき、被災者の方からペーペーの僕が勇気づけられたのが『生き残った人間は亡くなった人の分まで全力で楽しまなあかんねん』という言葉でした」。来年で震災から30年。悲劇の中で力強く前を向く姿が作品の根底に流れている。

 ▽中条あやみ(なかじょう・あやみ)1997年2月4日生まれ。大阪府出身。14歳の時、グアム旅行中にスカウトされる。2011年に「ミスセブンティーン」グランプリを獲得。高1だった12年にドラマ「黒の女教師」で女優デビュー。14年の「劇場版 零 ゼロ」で映画初主演。主な出演作はドラマ「白衣の戦士!」「TOKYO MER」、映画「ニセコイ」「雪の華」など。

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