芸能界の姉・林寛子さん 親父も喜ぶ
いまさらだが、俺は初代三波伸介の一人息子だ。よく「三波伸介の長男」とマスコミに書かれるが、息子は俺一人だ。あまり語った事はないが、実は俺には姉がいた。俺が生まれる前に亡くなっているから当然、会った事はない。真理と書いて「まり」と読む。それが姉の名前だ。
親父は俺の前では、ほとんど姉の話をした事がない。多分、だらしなくて、決して男前でもない不肖の息子を見て、美形の誉れ高かった姉を思い出していた事は、想像するに難しくない。「真理が生きていてくれたらなぁ」というセリフを俺の前で言うのは、自分的にはタブーだったのだろう。
この姉を亡くしている事が、親父のキャラの一つである「減点ファミリー」の原動力になったのは間違いない。有名人の娘さんが出演した時は姉と重ね合わせ、その家族の幸福の行方を温かい心で見守っていた。ことさら、女の子を見守る目が優しかった。その分、息子にはキツかったが。親父は銀座や赤坂のクラブ、新橋や向島の料亭に行っては美女に囲まれ喜んでいた。「俺はな、スケベ心で通っているんじゃない。真理と年齢の変わらない子たちが頑張っているのを応援しているんだ」と語った親父。これには少々、笑った。
この連載の終わりにあたり、次は誰になるんだろうと考えた。親父と縁があり、親父が姉の真理と重ね合わせて成長を楽しんでいた昭和のアイドルがいる。その人は、親父の番組「君こそスターだ」の初代・グランドチャンピオンであり、俺にとっては「芸能界の姉」だ。その人がバトンを渡すには良いなと思っていたら、以心伝心、デイリースポーツの方から「次のエッセイストは林寛子さんです」と言われた。親父もとても喜ぶだろう。
次回からは姉の林寛子の登場です。皆さま、応援してください。短い期間でしたが、まだまだ書き足りないので戻ってきます。初代三波伸介を思い出していただき感謝です。ついでに二代目三波伸介も応援してね。それでは近いうちに。オツカレ!