【ボート】俳優・鶴本崇文の存在感に驚いた
「ボート記者コラム・仕事 賭け事 独り言」
え、その映画ってきのうの晩、見たばっかりだよ-。そんなセリフが頭の中をよぎった。
鶴本崇文(33)=大阪・98期・A1=が10月21日、江戸川で「G2江戸川634杯 モーターボート大賞」を制した優勝セレモニーで、司会者が「鶴本さんはかつて映画に出演したことがあるんです。『岸和田少年愚連隊』です」と紹介したからだ。恥ずかしながら知らなかった。
前夜、TSUTAYAで借りた同作を見ていた。中場利一の原作を井筒和幸監督がナインティナインの2人を主役に起用して撮った青春映画の傑作。1996年公開だから、ずいぶん前の映画だ。鶴本選手、出てたかな?
直前の優勝戦、1号艇の鶴本は待機行動中にエンストを起こすアクシデントに見舞われた。スターターロープを巻いては引きを繰り返し、何回目かでようやく再始動に成功。イン逃げで勝った直後、鶴本は「焦った。エンジン、一生かからんか思った」と打ち明けたが、本命印を打ち、当然舟券も買っていた私もハラハラだった。
それだけに、思い入れひとしおの表彰式だったのだが、司会者のウンチクで、より鶴本選手に親しみを覚えた。ところが、どう思い出しても「役者・鶴本」がどの場面に出ていたか分からない。きのうの晩見たばかりなのに。当時は11歳のはずだけど…。
調べてみると、鶴本選手が出ていたのは、シリーズ化された同作の第4作、2000年公開の『岸和田少年愚連隊 野球団』(渡辺武監督)だった。TSUTAYAで借りてきた。驚いた。ベレー帽をかぶり、革ジャンを着て、いつもバットを担いでいる小鉄役を、少年らしからぬ渋さ、独特の存在感で好演していた。今さらながら評価させてもらうと映画そのものは○、俳優・鶴本は自信の二重丸だ。未見の方にはぜひ薦めたい。
鶴本は12月4日から三国で行われる「開設65周年記念 G1北陸艇王決戦」に出場する。好走に期待している。(関東ボート担当・津舟哲也)