「防災バッグ買わずに作る」…長時間の神戸線車車両閉じ込めのピンチも救った、防災アイテムとは?
「ミュージアムショップ」と聞くと、一般的には展示されているアート作品をモチーフにしたグッズやおみやげが買える場所をイメージするだろう。しかし、「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」(神戸市中央区)の「ミュージアムショップ」はひと味違う。防災や減災に役立つ「超実用アイテム」がズラリと並ぶ空間だ。
同センターは、阪神・淡路大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来に生かすこと、防災・減災の世界的拠点となることを目指して今回2002年に設立された防災学習施設。災害を完全に防ぐことはできないが、被害を最小限に抑えることを目的に事前に対策をおこなう「減災」の考え方を日本のみならず、世界に発信している。
同センターでは、展示やワークショップなどでしっかり知識を身に着けた後に、この「ミュージアムショップ」で「減災アイテム」を真剣に選び、購入して帰る人が多いそう。また、同センターを訪れた人のみならず、「こういったアイテムを置いてないか?」とショップに問い合わせもあるとのこと。そんなショップの田邊さんに、まず最低限、マストで準備すべき減災アイテムを聞いた。
◆ まず最初はこの3つ「ホイッスル、懐中電灯、携帯トイレ」「まずは命を守るアイテムとして、ライト、ホイッスル。そして携帯トイレは必ず用意してもらいたいですね。今は、ライトも進化していて普通の周囲を照らすライトとしてだけでなく、パトライトになったり、折り畳みができるものもあります。また、この大きさで救急車のサイレンに近い音量の出るホイッスルは、助けを呼ぶときに役立ちます。人気商品です」。
また、これらの「減災グッズ」が活躍するのは、自然災害の時だけとは限らない。「携帯用トイレは、以前神戸線で事故があり、電車に何時間も閉じ込めにあった際にも役立ったと聞いています。車内でひとりの女性がトイレが我慢できず、もう駄目だとなったとき、携帯用ミニトイレをかばんに入れていた方が同じ車両にいて、ピンチを救われたそうです」。まさに備えあれば、憂いなしのエピソードだ。
それ以外のおすすめアイテムについても、近年では、機能面はもちろん、被災者のストレスを少しでも軽減できるよう工夫されたアイテムが増えているそう。「防寒や防風対策になるアルミシートも、進化しています。以前は広げるとバリバリと音が出てうるさいものが多かったんですが、被災された方の心情なども考慮して、音のあまりでないタイプも出てきています」。
またミュージアムを訪れた記念にもなる、注目の実用的なアイテムがあった。それは同センターの河田恵昭センター長が監修した「減災手ぬぐい」だ。手ぬぐいは、体をふいたり、包帯や、三角巾として使えるだけでなく、裂いてくくってつなげるとロープにもなる。
手ぬぐいとしての機能にプラスして、こちらには防災・減災に役立つ情報がびっしりプリントされている。大人向けには、持ち出しグッズやメモ、連絡先の記載欄が。一方、小学生向けには、地震が起きたら、どう行動するかが書かれていてる。このセンター長監修手ぬぐい以外にも、「レディのための防災手ぬぐい」など複数の手ぬぐいラインナップがあり、これは来館記念のおみやげにも良さそうだ。
最後に田邊さんから、災害への備える「非常持ち出しリュック」を作る際の、アドバイスをもらった。「『防災セット』『防災リュック』として、セット販売されているものもあるけど、それを買って終わりではだめ。自分に本当に必要なもの、使いやすいものは、人それぞれ。いざというとき、使えないもの、使い方がわからないものは役に立たないので、ひとつひとつのアイテムをじっくり検討して選んで、背負いやすいリュックなどにまとめる形でオリジナルで作るといいですよ」。
通販で揃えるなどの方法もあるが、こちらのミュージアムショップでは、各アイテムの実物を手にとれるだけでなく、田邊さんに使い方の相談しながら、アイテム購入できるのが心強い。センターの展示とあわせて、立ち寄ってみよう。
「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」内「ミュージアムショップ」の営業時間は朝10時30分から~昼3時30分(都合により変更の場合あり)。定休日は月曜(人と防災センターに準じるが、変更になる場合あり)。
(Lmaga.jp)
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