八村塁、渡辺雄太が躍動!日本代表が世界ランク7位の仏撃破 五輪本番へ弾みつける
「バスケットボール・国際強化試合、日本81-75フランス」(18日、サイデン化学アリーナ)
世界ランキング42位の日本が同7位のフランスに81-75で競り勝った。NBAコンビの八村塁(23)=ウィザーズ=が両軍最多19得点、渡辺雄太(26)=ラプターズ=も18得点と躍動した。19年W杯3位で、身長2メートル16センチのゴベール(ジャズ)ら現役NBA5選手を擁する相手に大金星を挙げた。五輪で1次リーグC組に入る日本は、26日に同2位のスペインとの初戦に臨む。
ティップオフの瞬間から、気迫と熱気がコートに充満していた。八村が19得点7リバウンド、渡辺雄が18得点9リバウンドと圧倒したが、最大の勝因は激しい守備とリバウンドを40分間継続したこと。15得点の比江島や、第4Q同点でボールを奪い得点につなげた馬場ら、チーム一丸で勝ち取った金星だ。
ラマスHCは「40分間、集中力が研ぎ澄まされていた。今われわれの1番の実力を全て発揮した試合」と絶賛。ターンオーバー(シュートを打てずに攻撃権を失うこと)は相手の13に対し日本は6と、集中した丁寧な試合運びでミスを最小限に抑えた。210センチ以上が4人いるフランスを相手に、リバウンドは日本が34、フランス37。空中戦でもほぼ互角の争いを演じられたことも大きかった。
終盤ゴベールら主力をコートに戻して勝ちにきたフランスを退ける勝負強さも示し、渡辺雄は「どの相手にもやりきれるという自信にしていい」。八村は「ディフェンスが第1Qから良かったので、それが勝ちにつながった」と胸を張った。
フランスには2016年の強化試合で74-91と敗戦。当時先発した渡辺雄は「あの時は正直、勝てるビジョンが一切見えなかった。最後は完全に遊ばれた」と言う。5年の時を経て、主導権をつかんだのは日本。「この5年間、日本のバスケットが大きく変わってきているのは感じた」。大きな手応えを得た様子だった。
とはいえ、この勝利を快挙と感じているのは外野だけなのかもしれない。15得点の比江島は「僕はうれしくてテンションが上がってたけど、みんな結構冷静で。勝って当たり前みたいな雰囲気だった」と試合後のロッカールームの様子を振り返っている。胸を借りるのではなく、がっぷり四つで強豪と渡り合うメンタリティーも伴ってきたのだろう。
五輪本番、初戦は世界ランク2位のスペインが相手だ。渡辺雄は「相手がどこだろうとランキングは一切関係なく、自分たちのバスケットをやっていく」。日本バスケが世界を驚がくさせる、その瞬間はもうすぐそこまで迫っている。