大橋悠依が金メダル「夢みたい」「泳いでいて楽しくて」 女子400m個人メドレー
「東京五輪・競泳女子400m個人メドレー・決勝」(25日、東京アクアティクスセンター)
金メダルを確認してまず笑顔を見せた。その後、涙。両手で顔を覆った。そしてまた笑顔。複雑な思いが去来した。大橋悠依(イトマン東進)が日本競泳陣金メダル1号。最高のレースを終えて、観客席に陣取る仲間に、会心の笑顔で手を振った。
「まだ夢みたいなんですけど、本当に泳いでいすごく楽しくて。(五輪は)自分が水泳をやっている全てかなと思います」。
第3レーンから好スタートを切ると、最初のバタフライで差のない3位でターン。続く得意の背泳ぎで、すぐに先頭に立った。リードを保つと、3種目めの平泳ぎで突き放す。体1つ突き放して最後の自由形へ。最後のターンで2秒近く差をつけた。4分32秒8。トップでゴールした。
「タイムも日本新を出して以来の速いタイム。朝のこの時間にこのタイムが出せて、やってきたことに間違いがなかった」とうなずいた。
五輪までの道のりは平坦ではなかった。昨年12月の五輪会場で行われた日本選手権を体調不良で欠場。五輪出場権がかかる4月の日本選手権は左股関節痛のため、痛み止めの薬を飲んでの出場。200メートル、400メートル個人メドレーの2種目で代表入りを決めていた。
「不安もあったんですけど、きのういい泳ぎができたので、とにかく自分のレースをしようと。自分の泳ぎができました。自分が金メダルをとれるなんて本当に思っていなかったので。ここにくるまでいろんなことがあったんですけど、チャレンジさせてもらえて感謝していますし、いろんな方に支えて頂いた」とここまでの道のりを振り返った。
16年リオ五輪代表選考会では3位。五輪代表を逃し涙を飲んだ。5年越しで叶えた夢の舞台で、最高の結果を残した。
次の目標は2冠。「あしたから200メートル個人メドレーが始まるので切り替えて。200も頑張りたいと思います」。今度は笑顔をきりっと引き締めて話した。