山県亮太がまさか敗退「0台のタイムが欲しかった」通過ボーダーラインに0秒03及ばず

 「東京五輪・陸上男子100m・予選」(31日、国立競技場)

 男子100メートル予選で9秒95の日本記録を持つ山県亮太(29)(セイコー)は10秒15で3組4着だった。多田修平(25)=住友電工=は10秒22の1組6着、小池祐貴(住友電工)は10秒22の4組4着で全員が落選し、準決勝に進めなかった。

 日本陸上短距離界89年ぶりの悲願は遠かった。ロンドン、リオ五輪と勝負強い走りで準決勝に進出。3度目の正直でのファイナリストの期待を背負い、挑んだ山県だったが、本来の伸びを欠き、10秒15で4着。着順でも、タイム上位3人にも、0秒03の差で予選敗退が決まった。

 「準決勝、決勝を見据える中で0台のタイムが欲しかった。そういうレースができず、残念。チャンスがあればもう1回走りたいが、1回で出し切るのも能力。諦めます」

 本来の力が発揮出来なかったのは間違いない。加えて9秒台が4人も出るなど、想定よりも高速化した予選に、のみ込まれた。16年リオデジャネイロ五輪での準決勝進出ラインは10秒20。12年ロンドン五輪でも通過ラインは10秒22だった。山県は「カットライン、準決勝のラインが高めなのは予想外だった」と認めた上で「0台を出せば問題なく通れたなと思えば、そういう意味で悔いが残る」と、言い訳はしなかった。

 何よりもその真摯(しんし)に競技に向き合う姿勢と、度重なるけがを乗り越えた姿が日本の“顔”に選ばれた理由だ。3大会連続の100メートル五輪代表は日本男子初の快挙。リオ五輪後も度重なるけがを乗り越え、9秒95の日本新記録をマークし、再び夢舞台にたどり着いた。ロンドン五輪は予選で10秒07、リオ五輪は準決勝で10秒05とともに当時の自身の自己ベストをマークした。その抜群の調整能力は、1年延期で“5年に1度”となったイレギュラーな五輪シーズンでも日本記録をマークしたことで、健在かと思われたが、どこかで歯車は狂っていた。

 残るは金メダルの期待を担ってきた400メートルリレー(5日予選、6日決勝)だが、100メートル代表の予選全滅の内容から不安は募る。リレー侍たちの意地が試される戦いとなる。

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