柔道・大野将平、東京五輪「井上体制終わる切なさと2連覇の安心感」 複雑な心境吐露

 メダルを手にガッツポーズの(前列左から)高藤直寿、阿部一二三、大野将平(後列左から)永瀬貴規、向翔一郎、ウルフ・アロン、原沢久喜(撮影・金田祐二)
 メダルを手にガッツポーズの(前列左から)芳田司、阿部詩、渡名喜風南(撮影・金田祐二)
 メダルを手にする大野将平(撮影・金田祐二)
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 東京五輪で史上最多の金メダル9個、銀2個、銅1個を獲得し、全日程を終えた日本柔道陣、計14人が1日、都内で会見した。

 男子73キロ級・金の大野将平(旭化成)は「東京オリンピックで目標としていた2連覇を達成することができて、達成感というより安心感が強い。井上監督の体制となった2013年から代表となって9年間、井上監督の下、2回のオリンピックで金メダルを獲得できたことを誇りに思います」と胸を張った。

 一方で前日7月31日、最終種目の男女混合団体ではフランスに敗れ銀メダル。日本チーム主将として今大会で勇退する井上康生監督の有終を飾れなかったことには悔いが残る。

 「井上監督の体制最後に負けて悔しい。井上体制が終わる、さみしさ、切なさ、個人で2連覇を達成した安心感と複雑に入り交じっています。私の柔道人生は井上監督とともにあった。初めて見たオリンピックは2000年のシドニーだし初めての代表も2013年井上監督の下。リオ、東京と2大会で連覇を達成できて私の柔道人生を一番、誇りに思っています。最後、監督を男にできない悔しさはありますが、それを受け入れて『胸を張って、表彰式に行ってこい』と言ってくれる監督の優しさを感じる機会になった。次の体制になって忘れ物を3年後、しっかりと取りにいくべきと感じている」と、今度は“敵地”パリ五輪での雪辱を心に期した。

 大野はパリ五輪では32歳とベテランの域に入り、世代交代も求められる。「今大会に限っては反則の指導が遅かった特徴があった大会。その中で私自身も反省としてそうだけど、我慢が一番、適切だった。我慢し切れた選手が金メダルの実績を収めている。オリンピックという舞台に限定すれば各国の選手、背負っているものが全く違う。普段の国際大会とは温度感、必死さが違う。その中で投げるのは容易ではないと思った。パリまであと3年あるけど、私自身は今後の柔道のことは考えていない。今、ここ日本チームには若い金メダリストが数多くいますので、こういった選手が日本柔道を引っ張っていってほしい」と、若手に期待した。

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