フルーレの奇跡起こせず 米国に完敗、フェンシング・エペに続くメダル逃し4位

 男子フルーレ団体3位決定戦で米国に敗れ、引き揚げる日本のアンカー松山恭助(左から2人目)
 3位決定戦で米国の選手(右)と対戦する松山恭助
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 「東京五輪・フェンシング男子フルーレ団体・3位決定戦」(1日、幕張メッセBホール)

 男子フルーレ団体で松山恭助(24)=JTB、西藤俊哉(24)=セプテーニ・ホールディングス、敷根崇裕(23)、永野雄大(22)=以上ネクサス=の日本は3位決定戦で米国に31-45で完敗して4位だった。日本は準々決勝で格上のイタリアを破り、準決勝ではフランスに42-45で惜敗。金メダルを獲得した男子エペ団体に続くメダル獲得はならなかった。

 最後は力の差を見せつけられた。3位決定戦で世界ランキング1位の米国に完敗。敷根は個人戦に続く4位で、またもメダルに一歩、及ばなかった。「個人戦で負けた時に人生で一番悔しいと思ったけど、すぐにまた一番悔しい気持ちがきた」と唇をかんだ。

 男子エペ団体が日本フェンシング界初の金メダルを獲得。「自分たちが最初の金を取りたいと思っていた。悔しいけどおめでとうという複雑な気持ち。頑張りたい」と臨んだ。初戦で強豪イタリアに競り勝ったが準決勝でフランスに惜敗した。

 敷根は右手を剣先の中心から開くように下げて構える。攻撃権を奪われにくくするために考え抜いたスタイルで、世界トップクラスに成長した。

 こだわりの強さと独創性は、技術面にとどまらない。高校時代にはグリップを自分で削って切り込みを入れ、使いやすいように改良した。趣味の一つでもあるお菓子作りであっても、お手製のマカロンは焼き方や見た目まで気にするほどの凝り性。指導者でもある父、裕一さんは「誰にも負けないくらい工夫している。人一倍、考えている」と目を見張る。

 コロナ禍で練習場が使えなくなると、苦手だったランニングに着手。北京五輪男子フルーレ銀メダルの太田雄貴氏の助言もあり、1日10キロを走り込んだ。体重を9キロ減の68キロと絞り込み「コンディションとフェンシングの感覚はすごくいい」と臨んだが、メダルには届かなかった。3年後のパリ五輪へ「個人で初の金メダルを」と誓いを新たにした。

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