露世界王者「付け加えさせて」自ら切り出し橋本を称賛「大事なのは人格。まさに五輪王者だ」
「東京五輪・体操男子種目別鉄棒・決勝」(3日、有明体操競技場)
個人総合王者の橋本大輝(19)=順大=が完ぺきな演技をみせ、15・066点で金メダルを獲得した。個人2冠は1984年ロサンゼルス五輪の具志堅幸司(個人総合・つり輪)以来37年ぶりの快挙となった。
マットに吸い込まれるような完ぺきな着地で2冠を決めた。日本に誕生した新王者を世界も称えた。銅メダルを獲得した19年世界選手権個人総合王者のニキータ・ナゴルニー(ROC)は、記者会見の終盤、橋本への質疑応答の中で、自ら切り出して、新王者を称賛した。
橋本が鉄棒の着地について「鉄棒は最後着地を決めて逆転するというか、一番人の心を動かせる種目だと思っている。僕自身着地を止めることにすごく今大会はこだわってきた。(銀メダルの)スルビッチ選手やナゴルニー選手が着地を止めてきて、プレッシャーの掛かるものが多かった。精神的、技術的にトップクラスでないと、この舞台には立てない」と思いを語った後、ナゴルニーが突如「付け加えさせてほしい」と発言許可を求めた。
団体ではROCが金メダルを獲得し、日本は約0・1点差で銀メダル。個人総合では橋本が金メダルで、ナゴルニーは銅メダルだった。死力を尽くし、頂点を争い抜いたからこそ、分かることがあった。「アスリートにとって大事なのは人格、キャラクターだ。重圧の中でいかに集中して技術を出せるか。その点においてハシモトは19歳という若さにも関わらず、まさに五輪王者だと思う」と絶賛。その上で「本当に素晴らしい将来、未来が待ちうけている。より素晴らしい結果を出せると思う」と、輝かしい未来を予見した。