土性沙羅は銅逃す 開始2分33秒でフォール負け、2大会連続メダルはならず
「東京五輪・レスリング女子68キロ級・3位決定戦」(3日、幕張メッセAホール)
女子68キロ級3位決定戦では土性沙羅(26)=東新住建=がチェルカソワ(ウクライナ)に敗れメダルを逃した。
抜け殻のような表情で土性はマットに座り込んだ。開始2分33秒でフォール負け。「マットに立てることに感謝しながら、今までやってきたものを出し切りたい」と語っていたが、及ばなかった。
初出場のリオ五輪は重量級としては殊勲の金メダル。しかし以降の5年間は苦難の連続だった。両肩には脱臼癖があったが、2年前に左肩の亜脱臼を再発。18年4月に手術した。長いリハビリ期間はつらく、病院のベッドで痛みで何度も目が覚めた。母・祐子さんの手を借りないとドライヤーで髪も乾かせなかった。タックルへの恐怖心もあった。
笹山秀雄監督の「最少失点で、最後の最後で勝てればいい」との助言を受け、攻めるだけではなく相手が嫌がる戦法も磨いたが、最後は力なく敗れた。