【競馬】“未完の大器”ロックドゥカンブの物語は続く 産駒が豪G1を制覇

 オーストラリアからうれしいニュースが飛び込んできた。10月8日、トゥーラックハンデ・豪G1(フレミントン・芝1600メートル)でロックドゥカンブ産駒のヒーズアワロッキー(セン4)が優勝し、父が果たせなかったG1初制覇を決めた。このニュースに反応した競馬ファンは筆者だけではないだろう。

 デビューから無傷4連勝でセントライト記念を制し、07年菊花賞で1番人気の支持を受けた現役時代のロック。勝ち馬アサクサキングスに及ばず3着に敗れるも、世界的名手マイケル・キネーン騎手を鞍上に配した同年の有馬記念では、初の古馬トップクラスを相手に4着と健闘してみせた。飛躍を大いに期待された07年だったが、宝塚記念では直線でズルズルと後退。12着入線後にジョッキーが下馬しており、アクシデントが起きたことは明らかだった。レース後に左後繋靱帯断裂と診断され、志半ばで競走生活に幕を下ろすことになる。

 同期に牝馬で64年ぶりにダービーを制したウオッカがいる粒ぞろいの世代。その中でも南半球産で日本馬と比べて約半年の遅生まれ(9月生まれ)という不利がありながら、スケールの大きな走りでターフを躍動したロックが与えたインパクトは絶大だった。古馬になってから充実期を迎えるはずだったこの馬こそ“未完の大器”のキャッチフレーズがふさわしい。悔やまれる引退になってしまったが、その物語は終わっていなかったのだ。

 現役時代のロックに牧場で調整していた福島県・ノーザンファーム天栄の木實谷雄太場長は「あの馬自身もG1を勝てるだけの力があると期待していたので、今回のニュースは本当にうれしいですね。宝塚記念の後は何とか一命を取り留めようと懸命に治療したことをよく覚えています」と当時を思い出しながら喜びを語る。

 今秋から日本でも海外のビッグレースが発売される。メルボルンC・豪G1などの出馬表で“父ロックドゥカンブ”の名を見られるかもしれない。また、日本国内で輸入された産駒が走る日もそう遠くはないだろう。木實谷場長は「日本への馬場適性があるだろうし、日本でも活躍できると思いますよ。いつかロックの子どもに携わる日が来たらいいですね」と思いをはせている。(デイリースポーツ・刀根善郎)

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