【野球】プロ選手多数輩出の広陵宿舎に届いたドリンク 差出人は…

 全国高校野球選手権で10年ぶりに3回戦に進んだ広陵(広島)は、多数のプロ野球選手を輩出、宿舎にはたくさんの差し入れが届けられている。17日の2回戦・秀岳館(熊本)に勝った後、中井哲之監督は「阪神の新井、上本、俊介が来てくれた」と、教え子が宿舎を激励訪問したことを明かした。

 そんな華やかな教え子を持つ中井監督だが、今大会中にうれしい差し入れがあった。宿舎のある池田市に住む女性から届けられた飲み物だ。

 大会期間中、部員は暇な時間に宿舎近くを散歩している。地元の人たちにあいさつをするうちに声をかけてもらうこともあるという。そんなある日、ベンチ外の部員が散歩中、おばあさんの荷物を運んだ。

 後日、宿舎に見知らぬ女性から手紙とドリンクが差し入れられた。中井監督は「お手紙には頑張ってくださいと書いてあった。自分から声をかけて荷物を運んだというんですから。なかなかできませんよ」と部員の行為を誇らしげに語った。ナインにドリンクを配ったときも「だれのおかげか、よう考えーよ」と荷物を運んだ部員を持ち上げた。

 西日本を中心に高い技術を持った選手が集まっている。3学年で100人を超える大所帯。甲子園でベンチ入りできる選手は限られている。スタンドで応援する選手が大半だ。それでも中井監督は「人として接する」をモットーに指導してきた。

 ミーティングは「生徒にすべて任せている」と、選手間で話し合い、中井監督は内容を確認、修正する。「野球に関してはほめたことがない」と、今大会3本塁打を放ちプロ注目の中村奨成捕手ら選手に厳しく接する。

 「野球以外でいいことをしたらほめますよ」と笑った中井監督。野球ができることへの感謝を持つことを常々説いてきた。ベンチ外の部員が地元の人にした善意から届けられた差し入れは、これまでの指導の“勲章”でもあった。(デイリースポーツ・岩本 隆)

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