【野球】オリックスで“ヒットメーカー”を目指す明徳義塾・西浦
26日に行われたプロ野球ドラフト会議で、明徳義塾の西浦颯大外野手(18)がオリックスから6位指名された。50メートル5秒9の俊足と遠投110メートルの強肩、そして高校通算29本塁打の強打。走攻守3拍子そろったユーティリティプレーヤーは「体中に心臓がいっぱいついている感じだった」という緊張感の中で吉報を待ち、ついに名前が呼ばれると「うれしいの一言。泣きたかったけど、周りに友人がいたので泣けなかったです」と晴れやかな笑みを浮かべた。
熊本県八代市出身。「熊本北リトルシニア」でプレーした中学時代にU-15日本代表に選ばれ、鳴り物入りで入学した明徳義塾でも1年夏からレギュラー入りした。甲子園には春夏合わせ4度出場。昨夏の3回戦・嘉手納(沖縄)戦では中堅右に豪快な満塁アーチを放って注目を集めた。また、ある野球用品メーカーが全国の高校球児を対象に行った体力測定で、西浦は背筋力240キロをマークして“日本一”に輝いたこともある。
そのズバ抜けた身体能力を武器に、これまでチームの主砲として主に3、4番を任された西浦。指名後の会見では「プロでは1、2番打者として活躍したい」と話し、目標の選手を聞かれると「西武の秋山翔吾選手」と即答した。シーズン歴代最多「216安打」の記録を持つ安打製造機。広い守備範囲と強肩を併せ持つ秋山のプレースタイルを自らと重ね合わせ、その背中を追いかけるつもりだ。
会見に同席した馬淵史郎監督(61)も、西浦の3年間の成長ぶりを振り返り「下級生のころはバッティングが粗かったが、上級生になってタイプを変えないかんと思ったんじゃないか」と話す。むやみにパワーを誇示するのではなく、確実にミートして出塁を狙う打撃スタイルへの変貌。甲子園通算49勝を誇る師は、ドラフト6位でプロ入りの夢を実現した教え子に「順位は関係ない。プロに入ったら、どれだけ自分が頑張れるか。オリックスでレギュラーになって、お金を稼げる選手になってほしい」とエールを送った。
その熱い激励に応えるように、西浦は言葉に力を込める。「早く一軍の試合に出て、毎日、テレビでプレーを見てもらいたい。いつか日本代表にもなりたい」。そう遠くない将来、京セラドームでヒットを量産する西浦の勇姿が見られると期待している。(デイリースポーツ・浜村博文)
関連ニュース
編集者のオススメ記事
オピニオンD最新ニュース
もっとみる【野球】ロッテ「初球ストライク率アップ」の狙い 新テーマ課した理由を建山投手コーチが語る
【スポーツ】大相撲春場所で番付表ブックカバーを自作、無料で持ち出しOKの古い番付表を利用
【ファイト】なぜ藤波辰爾の西村修さんへの弔辞が涙を誘ったのか 18年間もの絶縁から2人を師弟関係に戻した「無我」の2文字
【野球】「若いうちに3年後、5年後の自分を考える時間があった方がいい」大学准教授になった元楽天・西谷尚徳さんの願い 現役時代から二刀流で学ぶ
【野球】トライアウトを経て阪神入りした元楽天戦士「私はもう終わるから、他の若い選手を使ってください」2度目の戦力外通告受け入れ教職の道へ
【野球】「野村監督は難しいサインをいっぱい出す」大学准教授になった元楽天・西谷尚徳氏 プロ初のお立ち台を呼び込んだプレーを回想
【野球】球団初の二刀流 DeNA・武田の育成プランとは 試行錯誤を重ねて挑戦中 新たな道を切り開く球団ポリシー
【野球】楽天ドラフト1期生は現在、大学准教授に 西谷尚徳氏「傍観者」だったドラフトで一場靖弘投手と再び同僚に