【野球】DeNA細川、次世代のスター候補が台湾でつかんだ課題と収穫
12月20日、神奈川・横須賀市のベイスターズ球場。DeNA・細川成也外野手(19)が、2軍施設で黙々と自主トレに励んでいた。11月下旬から台湾で開催されたウインターリーグに参戦。約1カ月の“武者修行”を終えたばかりだったが、疲れた様子を見せることなく課題と向き合っていた。
将来のクリーンアップ候補として、期待を背負う長距離砲。ルーキーイヤーの今季は10月3日、プロ初出場となった中日戦でプロ初打席初本塁打の離れ業を成し遂げた。高卒新人ながら急きょポストシーズンのメンバーに抜てき。CS、日本シリーズでは主に右の代打として活躍した。
シーズン後は若手が集う台湾ウインターリーグに参戦し、打率・215、2本塁打、8打点。勢いそのまま飛躍へのステップを踏もうと奮闘したが、慣れない環境への戸惑いもあり、思うような成績を残せなかった。
「最初は自分のスイングができていたんですが、体が疲れてきて、ピッチャーにも苦手なコースを攻められ、フォームが崩れてしまいました。自分で振っていて、おかしいというのは分かっているんです。いい時と感覚が全然違うので」。
まだまだ荒削りな部分も多い。微妙な感覚のズレを短期間で修正することができず、壁に当たった。「3割打つバッターは調子が悪くてもヒットが出る。自分は調子が下がると、全く打てなくなる。ティー打撃などの練習から、調子が悪い時の修正方法を身につけていきたい」。巨人・阿部、ヤクルト・山田、DeNA・筒香ら、一流は独自の練習方法を持つ打者が多い。自分のスイングの癖や傾向をつかみ、ルーティンを確立することが、調子の波を減らすことにつながる。
模索する日々の中で、台湾では収穫もあった。イースタン・リーグ選抜に帯同していた楽天・栗原健太コーチから「スイングが速いから、もっと呼び込んで打ったらどうか。変化球に詰まっても、セカンドの後ろとかに落とせる技術も持っていたほうがいい」と助言を受けた。
漠然とオフを過ごすのではなく、しっかり先を見据える19歳。「栗原コーチには自分とタイプが似ていることもあって、いろいろ教えてもらった。感覚的なものですが、真っすぐのタイミングで入って、少しだけためを作る。そういうことも試していきたい」。筒香を中心に、チーム力が上がってきたDeNA。来季以降、次世代のスター候補に対する期待感も高まっていきそうだ。(デイリースポーツ・佐藤啓)
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