【野球】中日移籍の松坂大輔、日本一を勝ち取った名古屋のマウンドで復活ロード歩む
昔を思い出した。2月下旬に沖縄・北谷に来場したときに、中日に移籍した松坂大輔投手(37)と久しぶりに対面した。「あんまり変わってないねえ」と言うと松坂に「そんなことないですよ」と笑って返された。
2004年に西武を担当。記者として日本一を経験させてもらった。その後、メジャーを経て日本に戻ってきた松坂。ソフトバンク時代にも数回、会ったが、その時の表情とは何か違う。吹っ切れたようなというか前向きなのか。2004年に、西武を担当し、当時のエースとしてチームを支えていた、生き生きとしていた松坂のようにも思えた。ソフトバンク時代は右肩痛に苦しんだが、今はそういう悩みも小さくなり、今年は復活への手応えを感じているのだろうか。
今、振り返ると2004年は松坂が名古屋で輝いた年だったと思う。当時のルールでプレーオフを勝ち抜き、リーグ優勝を遂げた。迎えた中日との日本シリーズ。王手をかけられ、第6戦の地、敵地の名古屋へと向かった。6、7戦とナゴヤドームで怪物たるゆえんを見せつけ、躍動したマウンドだった。絶対に負けられない第6戦、8回、134球を投げ、2失点で勝ち投手となるや、翌日の第7戦、中0日でリリーフとしてマウンドに上がった。そんな中で、152キロをマーク。あっけにとられた。「日本一はやっぱり違いますね」と試合後、普通に言っていた松坂のすごさを改めて思いしらされた。翌日、松坂は一睡もせず、名古屋から早朝の新幹線で東京へ帰った。私にとっても中身の濃い、忘れられない名古屋での4日間となった。
この年のオフに倫世夫人と結婚し、2年後にメジャーリーガーになった。メジャー移籍前も多くの快投を見せてきたがあのナゴヤドームでの6、7戦は間違いなく松坂の心の中に深く刻まれているだろう。そのグラウンドを本拠地にする中日に入団するのは不思議な縁がある。
練習風景を見るや、中日のユニホームを着て、チームメートと違和感なく溶け込んでいた。特別な思い出が詰まったマウンドで、どんな復活ロードを歩むのか、今年の活躍を見ていきたい。(デイリースポーツ・水足丈夫)
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