【野球】稲葉監督が挑む“試し”と“勝負”の日米野球
来たるべき“決戦”に向けて決意がこもっている、と感じた。2020年東京五輪で金メダル獲得を目指す侍ジャパン・稲葉篤紀監督。11月9日・東京ドームで開幕する日米野球で指揮を執る。MLBオールスターを相手に、起用法や采配で思い描いたプランを試すつもりだ。
今回のトップチームのメンバーは「オリンピックを見据えてというところをまず基本線にしております」と指揮官。野手ではパワーヒッターや走攻守3拍子そろった選手、抜群の守備力、快足を誇る選手…、バリエーション豊かな侍を集めた。
「いろんな可能性を持てるメンバー。いろいろ、試せますのでね。固定観念を持たずにいろいろやってみたいな、という部分はあります」。同じ二塁手で、球界屈指の守備力を誇る広島・菊池、トリプルスリーのヤクルト・山田哲の2人を生かす方法も模索中だ。
1番やクリーンアップなど打順の並びも「固定観念」は持たない。“4番ばかり集めても勝てない”が国際経験豊富な将の考え。大砲ばかりを打線に置くわけではなく、ソフトバンク・柳田、山田哲ら走力もある強打者をフル活用して戦うことも可能。まさに指揮官が掲げる“スピード&パワー”を実践する。「今年に限りましては、ある程度試せる年だと思ってますので。いろんな打順をやってもらいながら6試合、進めたい」と言葉に力を込める。
相手は、大リーガーだけに、格好の腕試しの場となる。日米野球で侍たちに求めることは、シンプルだ。「メジャーリーガーと対戦できますので、そこで思い切って、勝負をしてもらう。挑戦してもらう。その中で選手たちが何を感じるか。何が通用して何が足りないか、という部分を得てくれたらいい。オリンピックまでの間に何が良くて、足りないか見つけてもらって。成長してくれたらいいと思ってます」。東京五輪への礎にすることを期待した。
試すだけでも、選手に成長を促すだけでもない。「とにかく全部勝ちにいきます。日の丸を背負っている戦いというのは、全て勝ちにいく。(それが)僕は一番大事だと思う。全部勝つつもりでいきます」。勝つ意識を徹底的に植え付ける。そして侍ジャパンというチームはもちろん、自身も進化を果たす心積もりだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)
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