【野球】ソフトバンク 9人目の“助っ人”コラスは一本足打法 7月に昇格か
ソフトバンクが9人目の外国人選手を戦力に加えた。強打のキューバ人、オスカー・コラス外野手(20)だ。
獲得ではない。昇格である。17年5月、当時18歳でソフトバンクと育成選手契約を結んで来日。1年目は三軍が主戦場で、二軍の公式戦出場は2試合4打席のみだった。2年目の昨季は2軍で158打席と出場機会を増やしたが、打率2割1分2厘で7本塁打と安定感を欠いていた。
今季は飛躍的に成長している。5月にウエスタン月間MVPに輝くなど、6月26日時点で49試合に出場し打率3割1厘(リーグ2位)、9本塁打(同3位)、37打点(同2位)の好成績。それが認められ、今月24日に支配下登録を掴み取ったのだった。
同日にヤフオクドームで会見に臨んだコラスは「日本に来てから3年目ですが、その時から毎日頑張ってきました。とっても嬉しいです」と笑顔を浮かべた。日本の文化を学び、最初は苦手だった日本の食べ物も随分と克服した。「そこが一番成長したと思います(笑)」。日本語も聞き取りの方はかなり上達しており、チームメイトと通訳なしで焼肉に行くこともしばしばだ。
外国人にしては珍しい一本足打法。日本式のタイミングの取り方で基礎を固め、当初は苦手だった変化球に対応できるようになった。「最近はセンターから逆方向への打撃を練習しています」。22日と23日のウエスタン阪神戦(タマスタ筑後、久留米)で放った2試合連続本塁打はいずれも左翼へ運び、その成果を発揮した。
とにかく飛距離は現在の日本球界の中でもトップレベルだ。ファーム練習場では高さ20メートル以上の防球ネットを超え、駐車場の向こう側のビニールハウスまで打球を打ち込んだこともある。施設関係者によれば「150メートルは飛ばさないと、あそこまでは届かないのでは」と仰天して、急いで謝罪に向かったそうだ。
「(支配下登録により)これからデスパイネ選手やグラシアル選手と一緒にプレーできるのは嬉しい。一生懸命やりたい」
主力に故障者が続出する中、タカ打線の根幹となっているのが彼らキューバコンビだ。現在、一軍外国人投手は同じキューバ人のモイネロが登録されているだけなので、外国人枠にも余裕がある。しかし、工藤監督は28日のリーグ戦再開(日本ハム戦=札幌ドーム)からの即昇格は否定した。
それでも7月に入れば好機が訪れるだろう。グラシアルが7月中旬から8月上旬にかけてペルー・リマで行われるパンアメリカン大会にキューバ代表として参戦するために、一時チームを離れることになっている。ソフトバンクの三笠取締役GMは「招集はグラシアルだけ」と認めており、コラスにはその穴を埋めることが期待されている。(デイリースポーツ特約記者・田尻耕太郎)
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