【野球】同級生まで魅了する大船渡・佐々木 令和元年はやっぱり「佐々木世代」?
最速163キロ右腕の最後の夏が幕を開けようとしている。第101回全国高校野球選手権岩手大会(7月11日開幕)は26日に組み合わせが決定。今秋ドラフトの目玉・佐々木朗希投手(3年)擁する大船渡の初戦は7月15日の2回戦で遠野緑峰との対戦と決まった。
佐々木がどんな投球を披露するのか注目が集まるのはもちろんのこと、気になったのは対戦相手の反応だ。組み合わせ抽選会に出席した遠野緑峰の主将・菊池虎太郎外野手(3年)は「とても楽しみです」と高ぶる気持ちを抑えられないような雰囲気だった。
思えば5月の春季岩手大会沿岸南地区予選でも、球児の似たような反応を目の当たりにしていた。佐々木が今年に入って初めての公式戦となった住田戦。唯一の安打を許した住田・村上颯祐外野手(1年)は、「思い切り振ってこようと思っていた。うれしかったです」と興奮気味に左翼へと運んだ感触をかみしめていた。
対戦した選手だけがマウンド上の姿に魅了されているわけではない。佐々木も参加した4月の侍ジャパン高校代表候補・国際大会対策研修合宿でのことだ。初日の座学後に今春センバツで3本のアーチを放った東邦・石川昂弥内野手(3年)は「打席に立って球を打ってみたい」と熱望。“対決”は実現しなかったが、世代屈指の強打者の心もがっしりとつかまれていた。
関東の高校のエースが軸足と反対の脚を高く上げるフォームへ修正した話を記者が聞いた際、大船渡・佐々木も同じように左脚を高く上げるのが特徴的だと話題に振ると「やっぱり(球速は)速いですか?」と逆質問を受けたこともある。実物を見たことがないからこそ、いっそう興味津々の様子だった。
1998年に甲子園春夏連覇した横浜・松坂大輔(現中日)が高校球界をけん引したことで、同学年の選手たちも含めた「松坂世代」というフレーズはおなじみとなった。松坂以外もレベルが高く、浜田・和田毅(現ソフトバンク)や鹿児島実・杉内俊哉(現巨人ファーム投手コーチ)らプロでの活躍が目立つ選手は多数。“平成の怪物”の存在が同世代の刺激となり、レベルアップにつながった部分もあるだろう。
くしくも佐々木の世代にも星稜・奥川恭伸投手、創志学園・西純矢投手、横浜・及川雅貴投手(いずれも3年)と逸材が多い。その中でも、同級生から注目を一身に集める佐々木が同世代を引っ張っていく素質は十分。令和元年に高校3年生だった球児が将来的にそろって活躍すれば、「佐々木世代」と呼ばれるようになる予感は自然と高まってくる。(デイリースポーツ・佐藤敬久)
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