【野球】巨人若手野手台頭の裏に“くせ者”の存在あり 選手目線の兄貴分
今季、5年ぶりのリーグ制覇を狙う原巨人が現在、首位を走る要因の一つは、2年目の大城卓三捕手(26)や若林晃弘内野手(25)など若手野手の台頭だ。若手が元気にプレーできる環境が今の巨人にはあるが、その裏には、現役時代に“くせ者”の異名を取った男の存在があった。
今季の巨人で特徴的なのは、若手野手の台頭だ。大城は一塁のレギュラー争いに参戦し、若林は二塁の定位置取りへアピールを続ける。4年目の増田大輝内野手(26)は代走のスペシャリストとして、存在感を発揮している。
4年連続でV逸の屈辱を味わった昨季は、ムードが暗くなりがちだった。だが、今季は違う。首位を走っていることもあるが、若い選手たちは笑顔にあふれてムードも明るい。その裏には、今季から巨人の1軍内野守備兼打撃コーチを務める元木大介氏(47)の存在がある。同コーチは「選手が明るくのびのび、気持ちよくできるようにしているつもり。若い選手とコミュニケーションを取るようにしている」と言う。
声を掛け合いながら行う元木コーチのノックは明るい。時には“母校ネタ”を駆使。高校と大学が慶応の4年目・山本には「慶応ボーイ!」と声を掛ける。選手から自身の母校の「上宮」と振られると、元木コーチは「名門や」とニヤリ。誕生日の選手には「バースデー!」と祝う粋な配慮も忘れない。ムードメーカーで兄貴分のコーチがいるからこそ、若手がのびのびとプレーできているわけだ。
元木コーチにはポリシーがある。「上から押さえ付けるのが、コーチの仕事じゃないと思っている。みんなと同じように戦っているイメージ」。接し方は決して“上から”ではなく、選手目線。「選手が監督やコーチの目を気にせずできるように」とパイプ役も担いつつ「なあなあにならないように厳しさも持って注意する時はする」とメリハリも付けることも忘れない。
現役時代に長嶋監督(現終身名誉監督)から「くせ者」と命名され、独特の感性やセンス、技術を高評価された元木コーチ。豊富な経験は指導者になった今、生きている。若手と共に戦い、時代にも合った男が、巨人の屋台骨を支えている。(デイリースポーツ・伊藤玄門)
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