【野球】北陸・福井にカープフィーバーの予感 丹生高と敦賀気比から入団で盛り上がる
北陸・福井に新たな“カープフィーバー”の予感だ。今月中旬、広島からドラフト6位指名された玉村昇悟投手(18)=丹生高=と育成ドラフト2位・木下元秀外野手(18)=敦賀気比=が福井県内で仮契約した。2人は今夏の地方大会決勝で激突。結果は木下の敦賀気比に軍配が上がったが、玉村は9回3失点と力投。福井の高校野球ファンに、強烈なインパクトを与えた。
玉村は福井県の越前町出身、丹生高初のプロ野球選手とあって、地元メディアも注目。仮契約当日はテレビカメラが玉村の到着を待ち構えるほどの熱狂だった。会見では地元への思い、県外に出る心境を聞かれ、「1軍で投げている姿を皆さんに見てもらって感動や勇気を与える活躍ができればうれしい。野球を教えてくれた方、家族、チームメートへの感謝を忘れず、プレーしたい。不安より楽しみです」と初々しい表情で抱負を語った。
一方の木下は大阪府堺市出身。名門・敦賀気比で鍛えられた3年間を振り返り、「(入学前は)野球をなめていた。監督と出会って野球を基本から教わって一回り二回り、成長できたと思います」と恩師・東監督への感謝を述べていた。
もともと福井はカープとなじみが深い土地だ。90年代から00年代にかけては北陸遠征として福井県営野球場で試合が開催され、鯖江市出身の東出、天谷、勝山市出身・横山に大きな声援が送られた。今秋から佐々岡新体制となり、横山氏が1軍投手コーチに就任、東出打撃コーチは2軍に配置転換となった。同郷や高校の先輩の存在は玉村、木下にとっても心強いに違いない。
ドラ6と育成の下位指名とはいえ伸びしろは十分ある。最速147キロ左腕玉村は地方大会5試合で52奪三振の新記録を樹立、木下は今夏の甲子園で18打数7安打6打点の活躍を見せた。担当の高山スカウトも「玉村は下半身が強く左打者の内角を攻めるコントロールがある。木下は長打力、勝負強さもある。将来の主軸として期待している」とポテンシャルの高さを絶賛する。
福井から広島は特急「サンダーバード」と新幹線を乗り継いで、3時間超。福井県民も2人の活躍を心待ちにしているはずだ。
(デイリースポーツ・杉原史恭)
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