【芸能】氷川きよし 受け入れられた「私らしさ」デビュー20周年ファン認めた個性

2月2日の中野サンプラザでのコンサートで客席に向かい手を振る氷川きよし
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 歌手・氷川きよしが今月2日に、デビュー丸20年を迎えた。昨年は20周年のメモリアルイヤーとして積極的に活動してきたが、その中で度々話題となったのが、「演歌界のプリンス」からの“脱却”。抜群の歌唱力はそのままに、美しいルックスで歌声を響かせ、時には美脚まで披露することもあった。

 集大成となったNHK紅白歌合戦では、2曲をメドレー唱。「kii(キー)ちゃんらしく。きよし君にはサヨナラして、私らしく」と意味深に宣言し臨んだ本番では、演歌調の「大丈夫」を短く歌唱後、転機の1曲となったロックナンバー「限界突破×サバイバー」を、ビジュアル系メークとファッションで歌い上げた。歌手別視聴率では嵐に次ぐ、2位の40・4%を記録。老若男女からの注目度の高さが証明された。

 20年の節目となった、2日の中野サンプラザでのコンサートを取材し、氷川の“変化”をファンも歓迎しているように感じた。ビートの早い「限界突破-」では、ペンライトが小刻みにテンポよく振られた。GReeeeNから提供された「碧し」も、J-POPそのものだが、大きな歓声。従来の聞かせどころである演歌の歌唱シーンと、遜色ない盛り上がり方だった。ジャンルにとらわれず自分なりに歌いたい、という氷川の思いをファンが受け入れている様子が見て取れた。

 客席からの呼び声は、かつては「きよしク~ン!」一色だったのが、氷川が提案した新たなニックネーム「kii」も数多く飛んで、すっかり定着。「今日から21年目。1日1日を大切に感謝して、楽しく、自分らしく歌い続けていきたい。世の中に必要なのは、愛と歌と平和の3つ。その思いを込めて、歌い続けたいと思います」と記念のステージに、未来への誓いを刻んでいた。

 「私らしく」「自分らしく」-。昨今、氷川がことあるごとに口にするキーワードだ。昨年11月には「SNSはやったことなかったけど、海外にも発信して、世界中の人に自分を知ってもらいたい」という思いから、インスタグラムもスタート。当初はプライベートを公開することをためらっていたが、旅先でのオフショットなど、日常生活での“素顔”をのぞかせている。

 20年間の歌手道を振り返って、「これからはありのままに生きていきたい。20年やって『氷川きよし』という作品を作ってきましたが、今後は本名の『山田清志』の部分も出して、メッセージを届けていきたいです」と話すこともあった。22歳でデビューした氷川も、今では42歳。息子のように見守ってきたファンも、成長と個性を認めた上で、応援を続けていくのだろう。(デイリースポーツ・丸尾匠)

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