【野球】積極補強の虎にソフトバンクの強さ知る加治屋加入 競争激化と相乗効果を期待
元ソフトバンクの加治屋蓮投手(29)が阪神に加入した。今月の入団会見では「まずはリーグ優勝、矢野監督の胴上げのピースとなることが一番の目標です」と抱負を語った。
古巣は4年連続で日本一。会見でも真っ先に「優勝」の2文字を口にした。球団の期待は大きい。会見に同席した木戸プロスカウト部長はこう力説する。
「加治屋は言うとくけど、あの強力な中継ぎが帰ってきて余ったような感じの選手やから。ソフトバンクが強いのは、2軍から1軍に上がるのが大変ということよ。上がった選手はその大変さを知ってるから必死に守る。ウチも見習うべきだし、(加治屋にポジションを)取られたら刺激になる。そういう面ではいい勉強になると、矢野監督とも考えた」
木戸プロスカウト部長が語るように加治屋の実績は申し分ない。2013年度ドラフト1位でソフトバンクに入団。18年は72試合に投げ、4勝3敗31ホールド、防御率3・38。同年の日本一に貢献するなど経験も豊富だ。
右肩を痛め、19年は30試合、今季も6試合登板にとどまったが、ウエスタン・リーグでは19試合で1勝1敗、2セーブ、防御率1・69と好成績を残した。ただ、守護神・森、セットアッパー・モイネロら、強力ブルペン陣の壁は厚かった。
ソフトバンクの強さについて加治屋は「一人一人がやるべきことをしっかりやっているからこそ、チーム力っていうところができているんじゃないかと思います」と語り「しっかり成長した姿を見せられるようにしたい」と闘志を燃やす。
阪神ブルペン陣は守護神スアレスを筆頭に岩崎、エドワーズ、岩貞などリーグ屈指だ。救援防御率3・31も同トップだった。ただ若手で台頭したのは32試合に登板した馬場1人だけ。期待された守屋は3試合、望月も16試合、谷川も14試合登板にとどまった。ベテラン能見、藤川がチームを去り、中継ぎ陣も若返りが進む。球団の狙い通り、加治屋の加入でチームに相乗効果が生まれれば、一段とレベルは上がりそうだ。
(杉原史恭)