【野球】侍Jの外野手4人制で思う 大谷翔平の外野守備機会“三刀流”は訪れるのか
侍ジャパンの外野手4人制で思いをはせる。大谷翔平(28)に、外野守備の機会は訪れるのかだろうか。
3月に日本で開幕される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表の陣容がほぼ固まった。投手ではダルビッシュ有(36)や二刀流・大谷の参加が決定。野手では鈴木誠也(28)や吉田正尚(29)、日系のラーズ・ヌートバー(25)の現役メジャーリーガーも加わることになっている。また、国内組でも史上最年少の三冠王・村上宗隆(22)や2年連続で投手5冠に輝いた山本由伸(24)も名前を連ねており、過去最強の呼び声も高い。
今後、正式に侍Jの全メンバーが決定することになるが、現段階の不安要素といえば外野手登録されているのが、鈴木、吉田、ヌートバーに加え、今季FAで日本ハムからソフトバンクに移籍した近藤健介(29)の4人しかいないことだ。
この4選手は実績、実力に関して非の打ちようがない。ただ、大会に出場していれば故障などのアクシデントとは無縁ではない。また、日本国内では新型コロナウイルスが終息する気配も見せてはいない。大会期間中のメンバーの入れ替えを余儀なくされるケースも出てくるだろう。世界一奪還を目指す侍Jの栗山英樹監督(61)は、かねて「ゼロではない。(開催地の)日本と米国で(メンバーが)違うことも考えている」と、戦力、コンディション面を考慮しての入れ替えの可能性を示唆している。アクシデントと発生となれば当然、メンバーの入れ替えに踏み切るしかない。
だが、WBCの開催時期は日米とも春季キャンプが始まっている。実際に新たな選手をチームに呼ぶのはハードルが高い。万が一にも外野手がひとりでも欠ければどうなるのか。試合での選手起用やアクシデントが発生した局面で、緊急的に本職ではない選手を試合に出場させなくてはいけないケースがあるかもしれない。
そう考えたときに、大谷が外野守備に就く可能性はないのだろうか。大谷は日本ハム時代の2013年に外野手として54試合に出場し失策はわずか1、守備率・988の成績を残し、翌14年にも8試合の外野手として出場している。また、昨季からMLBでは、先発した試合でも降板後はDHとして出場できる「大谷ルール」が認められため機会はなくなったが、MVPを獲得した21年には登板後に、レフトで1試合、ライトで6試合出場している。
WBCでも「大谷ルール」の適用が現実的。だが、エンゼルスのジョー・マトン前監督(68)はかつて「彼は一流の外野手になれる可能性がある。間違いない。元々の能力というのは、驚異的なもの。彼はもしかしたら、どこのポジションでも守れるかもしれない」とポテンシャルの高さを指摘している。先発やフルイニングでの出場は無理としても、ワンポイント的なら十分に守備に就くことに問題はないだろう。大谷は「優勝だけを目指して」と話し、それを勝ち取るためには「できることを精いっぱいやる」と宣言している。WBCで二刀流ではなく三刀流があっても不思議ではない。(デイリースポーツ・今野良彦)