【松本浩彦医師】脊柱管狭窄症は厄介な病気 自分に合った治療法を見つけるべき
【Q】MRI画像により「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」と診断され、投薬治療を受けていますが、全く効果がなく、痛みとしびれが続いています。もっと有効な治療法はありますか?(60代・男性)
【A】脊柱管狭窄症というのは非常に広義の病名で、その原因には、椎間板ヘルニアや椎体すべり症、黄色じん帯骨化症などの疾患があります。原因によっては、手術で有効に治療できることもありますが、身体にメスを入れることには、みなさん、なかなか抵抗があるようです。
脊柱管狭窄症の痛みやしびれに対する治療は、いまや全ての整形外科医が頭を抱えている大きな課題で、漢方と血流改善剤だけで8割治せると豪語する先生もおられれば、プラセンタ(胎盤エキス)の注射だけで1日200人の患者さんを診ている先生も居られます。もちろん、全部手術で直すと張り切っておられる先生も。
それで、私がどうしているかと言いますと、要はこれらの先生の良いトコ取りです。飲み薬、プラセンタ注射、そして月に2回、ペインクリニックの専門医に来ていただいて、腰椎硬膜外ブロック注射も行っています。
ブロック注射は医者のスキルが結果を大きく左右しますので、当院では私が西日本一の腕前と信じる先生をお招きしています。ですが、それでも100%の人に効果があるとは言い切れません。
脊柱管狭窄症はそれほどやっかいな病気なのです。治らないと嘆かずに、ドクター・ショッピングとまでは言いませんが、いろいろな先生の意見を聞いて、いろいろな治療を受けてみて、自分にあった治療法を見つけるのが、最善だと思います。
◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤プラセンタ学会会長。
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