10代アイドル襲ったベーチェット病 若い世代で発症、口や外陰部になどに症状、治療は難渋

 あるアイドルグループの十代の女性がベーチェット病と診断されたことを発表し、治療を続けながら、制限はあるもののアイドル活動を続けるという報道がありました。まずは彼女に敬意を表し、応援のエールを送りたいと思います。

 ベーチェット病とは、全身のさまざまな部位に炎症が繰り返し生じる病気です。免疫が過剰になって自身の体の組織を攻撃してしまう「自己免疫疾患」いわゆる「膠原病」の一種と考えられていますが、実のところ現時点で明確な発症メカニズムは解明されていません。トルコのイスタンブール大学皮膚科ベーチェット教授が初めて報告し、この名がつけられました。比較的若い年代で発症することが知られています。

 ベーチェット病の症状の現れ方には個人差がありますが、主な4つの症状は口腔内アフタ性潰瘍(ひどい口内炎)・外陰部の潰瘍・全身の皮疹・ぶどう膜炎(目の炎症)です。これらがよくなったり悪くなったりしながら繰り返し現れるのがベーチェット病です。重症の場合には内臓や神経、血管などにも炎症をもたらし、ときには命に関わることもあります。

 治療は免疫のはたらきを抑えるステロイドの投与ですが、長期投与することの副作用、さらに上記の症状が悪化した際にこれを緩和する治療も同時に行う必要があり、治療には難渋します。原因不明と前述しましたが近年、発症に強く影響する遺伝子が解明され、その原因を特定する研究が着々と進んでいます。

 ベーチェット病はさまざまな部位に繰り返し炎症発作が引き起こされる病気ですが、これらの症状はよくなったり悪くなったりを繰り返し、次第に症状が悪化していくことも少なくありません。残念ながら現時点では、明らかに効果のある予防法はありません。疲れやストレスなどが原因で症状が悪化・再燃しやすくなるため、十分な休養・睡眠を確保し、生活リズムを整えて食生活などにも注意することが基本です。この先、ゲノム医療の発達とともに、有効な予防法・治療法が確立される可能性を信じるのみです。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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