【松本浩彦医師】あなたならどっちを選ぶ 縄跳び4時間か、キツネうどん1杯我慢か
肥満治療は私のライフ・ワークの一つで、肥満の内科的治療を専門とする「肥満外来」を設置しています。世間ではメタボ、メタボと騒がれていますが、結局は食べ過ぎが原因。私の減量哲学は「痩せたいなら食べるな。食べたいなら痩せようなんて思うな」です。痩せたいと思うのなら、食べちゃダメです。
そのためには今の間違った食習慣を変えること。その前に間違いに気付かなくては改善しようもありません。いま食べ過ぎていることに気付くという意識改革が必要なのです。それは人生観を変えることにつながります。痩せたいと皆さん簡単におっしゃいますが、それはじつは大変な苦労を伴う一大事業なのです。
太っているあなた、食べること大好きですよね。人生で唯一の楽しみって言うくらいに。「痩せたいなら食べるな」ということは「人生観を変えること」と同じくらい大変なことですが、これがダイエットの本質です。
「運動してないから痩せられない」という患者さんが来られますが、そんなものは言い訳です。運動では痩せられません。たとえば1時間のウオーキングで消費するエネルギーはイチゴ大福1個分。連続4時間の縄跳びができたとして、消費エネルギーはキツネうどん1杯です。4時間縄跳びするか、キツネうどん1杯辛抱するか、あなたならどちらを選びますか。少々運動しても消費するカロリーは微々たるものなのです。
肥満は、過食という生活習慣が作り出した病気といえます。太って当たり前の生活習慣を改め、太りにくい体質を手に入れれば、誰でもやせられるし、リバウンドも起こりません。そのための一歩は、胃を小さくすることなのです。
◆筆者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。
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