ドクター備忘録/「はちみつ大根」の効能を医師が解説 薬膳の理論に基づいたレシピで喉を潤し脾胃を補う
西洋医学を生業とする私が語るのもなんですが、いわゆる民間療法にも、意外と効果があることがあります。年末年始、インフルエンザやコロナが流行しましたが、今冬に共通して言えることは、どちらも後遺症が長引いたことです。特に「治ったはずなのに、いつまでも続く咳」です。
急速な冷え込みやインフルエンザの流行の影響か、昨年末からSNSを中心に話題になってるのが「はちみつ大根」です。角切りにした大根にハチミツをかけ、出てきた汁を飲めば、喉のイガイガはたちどころにおさまると言うものです。角切り大根にハチミツをかけて放置しても良いのですが、切った大根の中身をスプーンでくり抜き、穴にハチミツを注いで4分間レンジでチンすると、大根エキスが溶け出し、さらに大根がコップ代わりになるので超オススメとのこと。
ハチミツは加熱するとビタミンや酵素など多くの成分が失われるのですが、じつは私の幼馴染が薬膳の研究家でして、書物を紐解くと、生のハチミツは清熱の作用、加熱したハチミツは喉を潤し、脾胃を補う作用があるそうです。民間療法の「はちみつ大根」といえども、薬膳の理論に基づいたレシピとなると、実際の効果があって良さそうです。薬膳は身近な食材で不調を改善してきた、先人の知恵の結晶です。
角切りにした生の大根を蜂蜜に漬けて、出てきたエキスが喉の痛みや咳に効果があるのですが、生の大根汁は辛くて青臭く、さらに人よってはお腹をこわすこともあるため、それらを避けるため今回は、加熱する「はちみつ大根」をご紹介しました。大根をコップの様にくり抜いて使うというのも、親子で薬膳に触れるきっかけになるかも知れません。そこに生姜のしぼり汁を少し入れると、効果がより高まるそうですので、ぜひお試しください。
◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。
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