【松本浩彦医師】カゼをひいたら青ネギに白ネギ、均等に食べるのが○
一気に寒くなりましたが、カゼなどひいておられませんか。カゼをひいたら焼いた白ネギをのどに当てる、なんて話、聞いたことあるでしょう。実はこれ、あながち迷信とは言えません。
ネギの独特の臭みや辛味の成分である「アリシン」には強力な殺菌作用があり、揮発性が高いため、のどに当てるだけでも本当にカゼに効くのです。アリシンはニンニクやタマネギなどにも豊富に含まれ、殺菌だけでなく、ビタミンの吸収を促進し、血流の改善、疲労物質である乳酸を分解する作用など、さまざまな薬効があります。
というわけで今日はネギのお話。薬膳では、白ネギは気血の巡りを良くして体を温める、とされており、カゼだけでなく、冷え性にも効果があります。ネギには文化圏があり、関西では九条ねぎに代表される青ネギ、関東では根深とも呼ばれる白ネギがよく食べられるようですが、この二つ、全く違う野菜といっても過言ではありません。
白ネギにはアリシンの他にネギオールという、免疫アップ、殺菌、発汗、消炎作用などを持つ、カゼに非常によく効く物質も含まれています。一方青ネギには、βカロテン(抗酸化、美肌、血流改善)、カルシウム(代謝アップ、ストレス緩和)、ビタミンC(抗酸化、免疫力向上、代謝促進)、のほか、ビタミンB群も多量に含まれ、栄養素としては青ネギの方が豊富と言えます。ですのでネギは青い部分も白い部分も均等に食べる方が良いのです。
ナスやキュウリなど土の上で育つ野菜は体を冷やし、土の中で育つ野菜は体を温めるとされています。医食同源と言いますが、寒い冬は、ゴボウ、人参、白ネギ、ショウガなどを食べて、身体の中から温めてやることも必要ですね。
◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。
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