いまさら新型コロナ?KP.3株から逃れることはできない、風邪と同じで何度でもかかる 定期的な換気が最重要

 いまさら興味を惹かれる話題でもないと思いますが、今うちのクリニックで最低でも1日に一人のコロナ感染者が来院します。全国的にも感染が拡大しており「第11波」に入ったというのが大勢の見解です。その主流となっている「KP.3株」について、少し解説します。

 新型コロナウイルスは変異を繰り返して「武漢」「アルファ」「デルタ」「オミクロン」になり、オミクロンの中で「BA.1」、「BA.2」と変異してきました。いま流行している「KP.3」は「BA.2」の子孫が変異したもので、オミクロン株の変異が続いています。これはオミクロンの感染力が強い分、毒性が低いことの表れです。

 残念ながら、以前のウイルスに対して免疫を持っている人でも「KP.3」から逃れることはできません。いわゆる風邪ウイルスと同じで、何度もかかります。生き残るウイルスは他のウイルスに比べて感染力が強くなっています。当分の間は「KP.3」が中心の流行が続くでしょう。ただ「KP.3」の病原性・毒性は特に変わっておらず、健康な大人や子供たちにとって、それほど深刻なウイルスではないようです。嗅覚・味覚障害も、オミクロン以降は少なくなっています。ただし夏には熱中症との鑑別が困難になります。熱中症でもコロナやインフルエンザのひどい時と症状が同じなのです。

 感染予防は流行当初から同じ「3密」を防ぐことです。夏は屋内で窓を閉め切って冷房をつけるため、換気する機会が減り、人から人への感染が起こります。換気も熱中症対策も大事なので、バランスが難しいところです。そこら中に消毒液を置いて回る意義は小さいということが判りましたので、やはり定期的な換気が最重要です。マスクも重要ですが、暑い夏は大変です。

 ワクチンに関しては賛否両論です。当初は感染を防ぐ効果が高かったのですが、今は感染予防というより重症化リスクのある人を守るものに変わったと言えます。ワクチンを接種した人はコロナの後遺症が有意に減ったというデータはありますが、この先の定期接種に関しては意見が割れています。むしろゾコーバという特効薬、ただし値段はお高いですが、かなり効きます。これも安心材料ではあります。

 少なくとも今夏、「KP.3」の感染が広がっていくことは間違いないでしょう。どの程度の規模になるかは分かりませんが、コロナは終息したわけではなく、共存する時代になったといっても過言ではありません。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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