さらば“飛翔天女”豊田真奈美50人掛け引退試合完走!「どこも痛くない体に戻りたい」
「プロレス・豊田真奈美30周年記念興行~飛翔天女引退~」(3日、大さん橋ホール)
華麗な空中殺法を駆使して“飛翔天女”と呼ばれ、一時代を築いた女子プロレスラーの豊田真奈美が引退試合を行い、30年の現役生活に別れを告げた。引退試合は異例の“50人掛け”で49組54人と51試合を行い、12勝10敗29引き分けでフィニッシュ。途中2度の休憩などを挟んだ合計4時間近い長丁場を戦い抜いた。
“50人掛け”の相手には大ベテランのジャガー横田、長与千種、全日本女子プロレス時代にしのぎを削った井上京子、井上貴子、堀田祐美子ら現役選手だけでなく、引退した山崎五紀さん、ブル中野さんらも登場。盟友の山田敏代さんがセコンドを務めた。
最後は自ら“介錯人”に指名した藤本つかさと対戦し、十八番のジャパニーズオーシャンサイクロンスープレックスで勝利。だが、両者の希望で再度対戦し、またも豊田がジャパニーズオーシャンクインビーボムで連勝。そして、またも再戦となり、疲労でフラフラになりながら、自ら伝授したジャパニーズオーシャンサイクロンスープレックスで藤本に介錯された。
試合後は、断髪セレモニーを実施。おなじみのロングヘアを30センチ以上切り、病気が原因で髪の毛を失った子どもたちに医療用ウィッグの原料となる毛髪を寄付する「ヘアドネーション」に提供した。
引退の理由は右肩と頸椎の古傷の悪化。03年3月にバラエティー番組に出演した際に右肩を痛めて手術するも後遺症に悩まされ、最近になって頸椎も悪化し、今年3月の引退発表時には「体が限界。痛すぎます」と話していた。
リング上でマイクを持った豊田は、涙をこらえながら「本当にどこも痛くない体に戻りたいです。だから、十分な試合をお見せすることができず、本当に申し訳なくて、悔しい気持ちでいっぱいです」と無念の思いを口にしたが、「30年間プロレスをやってきて本当に幸せでした。こんな自分でも応援して下さるなんて…。50試合やりたいって気持ちをかなえてくれて、本当に私はいろんな人に支えられて30年間来たんだなと思って、本当にみなさんありがとうございます」と感謝。最後は「今は本当に体がすごくつらい状態です。もう一度きちっと痛みのない生活をして、もう46歳ですが、まだまだこれから第2の青春を楽しもうと思います。なので、まずは治療を一生懸命頑張ります。30年が終わりました。本当にみなさん応援ありがとうございました」と、ファンに別れを告げた。