中島安里紗V2防衛 高橋奈七永を“惨髪”で「責任の重さ感じた」
「プロレス・シードリング」(2日・カルッツかわさき)
女子プロレス団体シードリングの頂上対決となったビヨンド・ザ・シー・シングル選手権は敗者髪切りマッチとして行われ、王者の中島安里紗(30)が高橋奈七永(40)をD×Dで仕留めて2度目の防衛に成功した。
シードリングのリングでシングル3連敗を喫していた中島は「デビューから13年、初めて勝てた」と絶叫。全女の赤いベルト最後の継承者であり、かつてヨコヅナと言われた奈七永の壁を打ち砕いた喜びは格別で、万感の思いで先輩の頭髪にハサミを入れた。
旧川崎市体育館は女子髪切りマッチの原点ともいえるジャガー横田-ラ・ギャラクティカ戦(83年5月)など伝説が刻まれた会場で、17年にカルッツかわさきとしてリニューアルされてからは初の髪切り戦。この日は92年8月に後楽園ホールで髪の毛をかけて対戦した豊田真奈美と山田敏代のレジェンドが立会人として見守った。
女の意地をかけた26分8秒の死闘劇はナナラッカ、チャナラッカ☆百、クインビーボムなどを浴びながらも高橋の必殺技であるワンセコンドEXは阻止。逆に急降下フットスタンプ、ムーンサルトからドラゴン&ダルマ式原爆でかき回し、最後はD×Dで3カウントを奪った。
断髪式で最初にハサミを入れた中島は「髪の毛をかけて挑戦してきた高橋の覚悟。その髪を切った私の覚悟。責任の重さを感じた」と言う。
JWP時代は無差別級王座に最多タイ4度戴冠。通算3位の11回防衛を果たしながら新天地を求め、17年1月にシードリングに乗り込んで約3年。「高橋を倒したことで、シードリングでの一つの目標をクリアした。本当の女子プロレスを引き継ぐのは私しかいない」と、女子マットのかじ取り役を宣言した。
潔く丸刈りになった高橋は「完敗だよ。お前の思うプロレスをこれからも突き進め」と、エールを送った。