【福西崇史 熱血EYE】堂安、久保、三好らがいれば…
「U-23アジア選手権・1次リーグB組、日本1-2サウジアラビア」(9日、パトゥムタニ)
サッカー男子の東京五輪アジア最終予選を兼ねて行われ、1次リーグB組の日本は9日、初戦でサウジアラビアに1-2で敗れた。MF食野亮太郎(21)=ハーツ=のゴールで一時は同点としたが、終盤にミスから献上したPKで失点した。日本は今大会を、すでに出場権を持つ酷暑の東京五輪のシミュレーションとして位置づける。絶対に負けてはいけない1次リーグの初戦を取りこぼし、五輪イヤーの2020年は痛恨の黒星スタートとなった。
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後半30分を過ぎて、相手選手の足が止まり始め、日本の選手も勝ち越せると考えたと思う。だが、結果は逆だった。失点は後半の立ち上がりと、終了間際。一番やられてはいけないパターンだ。
2失点目はバックパスのミスからPKを取られたもの。試合をどう終わらせるのか。引き分けでいいのか、勝ち越し点を取りにいくのか。そういう判断力、集中力という点で大きな課題を残した。
相手DFには足がつった選手もいたのだから、もっとそこを攻めてもよかった。弱点を徹底的に突くような対応力も必要だ。
選手のアピール面ではMF田中碧、田中駿の両ボランチは、いい形でゲームを動かし、攻撃のリズムを作っていた。食野のドリブルも効果的だった。
全体的にシュートで終わる攻撃ができなかったのは、前線の3選手が抑え込まれたから。個々の能力というより3人で崩す形の問題。堂安、久保建、三好らがいれば…と思わされる部分で、さらにアピールが必要だろう。
日本は中2日の次戦に勝つしかない。いかに切り替え、リフレッシュして臨めるか。この暑さの中で当然メンバーも代わるだろう。初戦に出ていなかった選手の頑張りにも期待したい。(02年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)