森保ジャパンひと安心 遠藤は大丈夫 重度の脳振とう疑いも「大事に至らなかった」
サッカーW杯カタール大会(20日開幕)の日本代表メンバーでドイツ1部リーグ、ブンデスリーガのシュツットガルトに所属する遠藤航(29)が8日のホームでのヘルタ戦で、相手選手との接触で頭部を強打し、担架で運ばれて退場した。一夜明けた9日、所属チームが「大事に至らなかった」と発表。幸いにも軽症に済んだもようで、W杯本大会には影響しない見通し。中山雄太(ハダースフィールド)の負傷離脱があっただけに、ホッと一安心だ。
中山の離脱で揺れた森保ジャパンに、またアクシデントが降りかかった。守備的MFでヘルタ戦に先発した遠藤が後半32分、自陣ペナルティーエリア内での空中戦で競り合った際に、相手選手の頭が後頭部付近に激しく衝突。そのまま倒れ込み、治療が施された後、担架に乗せられて同37分にグラウンドを退いた。
クラブは公式サイトなどで「遠藤はピッチ上で意識を失っていたが、救急車の中では反応があった」と声明を発表した。地元メディアによると、ウィマー暫定監督は「既に意識はある。病院で検査をしたが、重度の脳振とうの可能性がある」と指摘。ミスリンタットSDは「いち早く回復するよう願っている。何よりW杯への参加が危険にさらされないように望んでいる」と話した。
遠藤はW杯アジア最終予選でも9試合に先発するなど、今のA代表に欠かせない存在。所属チームでの12日のレバークーゼン戦欠場は確実で、重度の脳振とうならば本大会前最後の国際親善試合・カナダ戦どころか、W杯初戦の23日・ドイツ戦の出場も危ぶまれた。
病院に運ばれた遠藤の容体が気になるところだったが、一夜明けた9日、シュツットガルトが「脳振とうの疑いがあり病院で一晩過ごしたが、大事に至らなかった。この日のうちに退院する」と発表した。負傷した箇所が頭だけに予断は許さない。それでも順調に回復すればW杯の出場には影響しない見通しとなった。
中盤での対人プレーの強さで守備面を支えるなど攻守の大黒柱でもある遠藤が不在ならば、日本代表にとって相当の痛手になるところだった。また初戦の対戦国ドイツでプレーしていることから相手をよく知る選手だけに、いるかいないかは大きな差。無事に回復し、元気な姿でピッチに戻ってくるのを待っている。
◇遠藤 航(えんどう・わたる)1993年2月9日、横浜市出身。小1でサッカーを始め湘南ユース入団。2010年、湘南でJデビュー。12年に主将を務めDFながら7得点しJ1昇格。15年12月に浦和に完全移籍。18年7月にシントトロイデンに移籍し19年シーズン途中からシュツットガルトでプレー。ボランチを主戦場とし今季は33試合で4得点。日本代表は通算43試合出場、2得点。利き足は右。178センチ、76キロ。