ドーハの歓喜!浅野拓磨が独撃破弾 森保采配ズバリ!日本代表が大番狂わせ勝ち点3
「カタールW杯・1次リーグE組、日本代表2-1ドイツ代表」(23日、ドーハ)
1次リーグE組初戦が行われ、世界ランキング24位の日本が同11位で優勝4度のドイツを2-1で破る大金星を挙げた。W杯での日本の逆転勝利は初めて。ドイツからは初勝利で、通算成績は1勝1分け1敗。W杯で優勝経験国と対戦するのは3度目で、初めて勝った。日本が過去に出場した6大会で、初戦で勝ち点を獲得した2002年日韓大会、10年南アフリカ大会、18年ロシア大会はいずれも16強入り。10年大会覇者のスペインも入るE組の突破へ、最高のスタートを切った。
「ドーハの奇跡」が起こった。日本の歴史的金星を告げる笛が、ドーハの夜空に鳴り響くと、ベンチから選手がピッチへ駆け出し、全てを出し切った選手はピッチに倒れ込む者もいた。森保監督は相好を崩し、両手を叩き、ベンチ前でスタッフと歓喜の輪を作った。。世紀の番狂わせを演じた指揮官にしては控えめな喜び方だったが、“らしさ”が凝縮されていた。
拍手に迎えられ、会見場に姿を見せた森保監督は「今日の勝利は世界のサプライズだと思うが、日本のサッカーのレベルが世界に近づいている」と、誇らしげに語った。
野獣が雄たけびを上げた。1-1で迎えた後半38分、DFラインの裏に抜け出したFW浅野拓磨が、相手との併走に勝ち、右足でニア上を打ち抜いた。殊勲の「ジャガー」は「チャンスがあればシュートを打つと、ずっと決めていた。それが最後結果につながった」と声を弾ませた。
前回大会はバックアップメンバーとして帯同。コロンビア戦の勝利を見届け、帰国した。それから4年5カ月。W杯への思いを募らせた。「その瞬間から、今日のことを想像しながら、今日の日のために全力で準備してきた」と思いを込めた。
1点を追う後半30分にはW杯初出場の堂安がゴールをこじ開けた。W杯では初対決となったドイツとのリーグ初戦。主将の吉田が「世界に大きなサプライズを起こしたい」と語っていた言葉を現実のものにした。
前半8分には自陣中盤で遠藤と鎌田が相手を挟み込んでボールを奪うと、鎌田が右サイドの伊東に素早く展開。縦を突破しながら中央に折り返し、前田が滑り込みながら押し込んだ。前田のオフサイドと判定されゴールは取り消されたが、ボール奪取からの高速カウンターは日本の狙いとしていた形だった。
前半33分にPKで先制されると、森保監督は後半開始から動いた。久保建に代えて冨安を投入。右太ももに不安を抱える守備の大黒柱を起用し、3バックの勝負手に出た。後半12分には三笘と浅野を投入。切り札を惜しみなく切った。得点はいずれも交代選手が奪い、采配が冴え渡った。
「粘り強く、我慢強く戦う」という森保監督の言葉通り、劣勢に立たされながら猛攻を耐えしのいだ。優勝4度を誇る欧州の大国を相手に互角に渡り合った。日本が決勝トーナメントに進出した過去の3大会では全て初戦で勝ち点を得ている。短期決戦のW杯では初戦の重要性が何よりも勝る。史上初の「ベスト8以上」を目指す日本が計り知れない価値の金星を挙げた。