森保ジャパン痛恨黒星 〝勝負手〟ターンオーバー不発 鬼門第2戦でコスタリカに苦杯
「カタールW杯・1次リーグE組、日本代表0-1コスタリカ代表」(27日、アルラヤン)
第2戦、E組はFIFAランキング24位の日本が同31位のコスタリカに0-1で痛恨の黒星を喫した。初戦、「ドーハの奇跡」となったドイツ撃破から中3日、森保一監督(54)は先発5人を入れ替えたが不発。過去6大会で1勝3分け2敗の第2戦が鬼門となり、W杯初の開幕2連勝を逃した。1勝1敗で迎える運命の第3戦は同7位の強敵スペイン戦(日本時間12月2日午前4時)。1次リーグ突破へ奇跡のジャイアントキリング再び!!サムライブルーよ勝て!!。
「奇跡」から4日。日本を待ち受けていたのは「悪夢」だった。敗戦を見届けた森保監督は「最後仕留めることができれば良かったが、残念ながら相手がチャンスをものにした。狙い通りの展開だったが、結果が狙い通りではなかった」とうなだれた。過去6大会で1勝しか挙げられなかった“鬼門”の第2戦。14年大会で8強進出を果たし、日本が見たことのない「景色」を知る中米の雄に、大舞台での勝負強さを思い知らされた。
先発5人を入れ替えたターンオーバーが空転した。「ベスト8以上」を掲げる森保監督は「W杯では2チーム分の戦力が必要になる」と語り、選手層の厚みを増す作業に時間を費やしてきた。前線に上田、堂安、相馬を送り出し、鎌田を起点に相手ゴールを陥れようとしたが、連係はかみ合わない。スペイン戦で7失点の大敗を喫し、後がないコスタリカは5バックを敷いて、重心を後方に下げた。
均衡を打ち破るべく、森保監督は前半終盤から布陣変更に踏み切った。酒井に代わって右サイドバック(SB)に入った山根を前方に上げ、ドイツ戦で劇的な効果を発揮した3バックを指示したが、戦況は変わらない。
引いてきた相手に対して前線に人数を割かない攻撃に、鎌田が味方に声を荒げる場面もあった。後半17分には“切り札”三笘を投入。先手先手の采配を繰り出した指揮官だったが、粘り強いコスタリカの守備に最後まで手を焼き、「簡単にこじ開けさせてくれなかった」と唇をかんだ。
0-0で迎えた後半36分、吉田がつなごうとしたボールを奪われた。相手が放った左足シュートは柔らかな弧を描き、懸命に体を伸ばした権田の手をかすめ、日本サポーターの悲鳴に包まれながらゴールに吸い込まれた。日本が許した唯一の枠内シュートだった。
ターンオーバーはスペインとの第3戦が激しい強度の試合となることを見越し、選手の疲弊を抑えようとした“勝負手”でもあった。指揮官は「結果が駄目だったから、やったことも駄目だと第三者の方は見るかもしれないが全く後悔していない」と、毅然(きぜん)とした。
優勝経験国スペイン相手に勝ち点獲得が必須となった。森保監督は「元々3試合を通して(1次リーグ)突破を考えていた。我々はドイツにも勝てた。難しく厳しい戦いになるが勝つチャンスは十分ある」と顔を上げた。勝てば1次リーグ突破の可能性もあった日本が、一転して追い込まれた。