「ティキタカ」と強度の高さ 無敵艦隊スペイン強さの神髄とは
「カタールW杯・1次リーグE組、日本代表-スペイン代表」(12月1日、ドーハ)
FIFAランク7位のスペインは近年、パスを細かくつないで攻める「ティキタカ」と称されるスタイルを軸に一貫強化で強豪の一角を占めてきた。さらに今の代表は現代サッカーに不可欠なプレー強度の高さも備える。2度目の優勝へ、ロドリは「組織力は世界最高だと思う」と英ガーディアン紙に語った。
中盤が逆三角形に並ぶ4-3-3の布陣で戦う「無敵艦隊」のルーツはスペインの名門バルセロナにある。オランダの名手クライフが1990年代に監督を務め、高い技術を土台とする攻撃サッカーを根付かせた。
各地域の民族意識が強く、まとまりを欠くスペインを変えたのは2004年に就任したアラゴネス監督。バルセロナのシャビやイニエスタら技巧派MFを生かしたパスサッカーを構築した。08年に44年ぶりの欧州選手権制覇。後任のデルボスケ監督も踏襲し、10年のW杯初優勝、12年の欧州2連覇につなげた。
この成功で強化の方向が定まり、年代別代表まで戦術の芯が通った。前回大会後に就任したルイスエンリケ監督が、激しいプレスや速攻もオプションに加え進化させた。ユース年代で基本戦術を既にたたき込まれた若手有望株から、個人能力の高い18歳のガビや20歳のペドリらがフル代表へ登用された。
27日、1-1で引き分けたドイツ戦では屈強な大男たちと174センチのペドリ、173センチのガビら小兵が技術で渡り合った。日本戦は引き分けても16強入りと優位な状況だが、監督は「勝ちにいく」と妥協を許さない姿勢で臨む。