森保ジャパン「保持率36%」の誤算 体力切れロストフ「43%」の教訓で目指したスタイル

果敢にボール保持を試みたが保持率は思い通りに上がらず(撮影・金田祐二)
 果敢にボール保持を試みたが保持率は思い通りに上がらず(共同)
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 日本代表のカタールW杯での激闘が幕を閉じた。1次リーグで優勝経験国のドイツ、スペインを撃破し、世界を驚かせた一方、史上初の8強には、またも一歩届かなかった。デイリースポーツでは「森保JAPAN 高かった8強の壁」と題し、3回連載でサムライブルーの舞台裏に迫る。

  ◇  ◇

 森保監督の脳裏には就任当初から8強への戦略が描かれていた。全ては「ロストフの悲劇」から始まっている。2018年W杯ロシア大会の決勝トーナメント1回戦。ベルギーと対戦した日本は2-0から25分間で逆転を許し、敗退した。

 コーチとして日本ベンチにいた森保監督は「ボール保持」の重要性を認識した。試合を通じた日本の保持率は43%だったが、日本の疲労とベルギーの反撃も相まって終盤は極端に数字が下がった。

 「インテンシティー(強度)を長い時間保つためにも、もっとボールを保持しながら攻撃できたのではないか」。森保監督はベルギー戦をそう振り返ったことがある。「相手にボールを渡さなければ守備で疲れないので、最後は守備で止められる。体力ロスをなくすためにもボールの保持率を上げていくことにトライしなければ」との考えに至った。

 いわゆる「ポゼッションサッカー」を目指した訳ではない。攻撃の優先順位としては、守備から攻撃に切り替わった時は素早く攻撃に移る(カウンター)。できなければボールをつないで相手を崩すこと(ポゼッション)を徹底してきた。

 カタール大会ではドイツ、スペインのW杯優勝経験国と対戦。圧倒的にボールを握られながら、一瞬の隙を突いた速攻で2つの勝利を得たことで、カウンターが森保監督の主戦術と思われがちだが、決してそうではない。選手の消耗を最少限に抑え、トーナメントを勝ち抜くために保持率を上げるという考え方が根底にはあった。

 クロアチア戦でも、森保監督は「ボールを捨てることは絶対にないように」と指示していた。ドイツ、スペインとの2試合に比べ、選手は果敢にボール保持を試み、東欧の強国と互角に渡り合ったが、結果として保持率は36%にとどまった。4年前からの進歩は随所に見られ、指揮官も「今のベストをぶつけてくれた」とねぎらったが、チームとしてのボール保持能力が想定ほど上がり切らなかったことが誤算だったかもしれない。(デイリースポーツ・山本直弘)

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