米平和研究所を「乗っ取った」 政府効率化省が武装警察官と
【ワシントン共同】ロイター通信は19日、トランプ米政権の新組織「政府効率化省」が超党派のシンクタンク、米平和研究所の解体に向け、同研究所の建物を「力ずくで乗っ取った」と報じた。連邦地裁は同日、阻止を求めた研究所側の訴えを退けた。政権による連邦政府の支出削減の一環だが、同研究所は独立した非営利団体で、職員らは強く反発している。
ロイターによると、研究所職員は17日、建物の全てのドアを施錠して抵抗したが、効率化省側が警察を呼んで所長や職員を建物から追い出したという。連邦地裁判事は効率化省の動きの一時差し止めを認めなかったが、武装した警察官を伴う建物の制圧について「恐ろしい」と批判した。
同研究所は連邦議会が1984年に創設し、予算も議会が拠出している。トランプ大統領は今月14日、ルビオ国務長官やヘグセス国防長官らを除く理事を全て解雇し、トランプ氏に忠実な人物をトップに据えた。
ロイターはトランプ氏が20日にも教育省廃止を命じる大統領令に署名する見通しだとも報じた。