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「大相撲夏場所4日目」(9日、両国国技館)
三役以上の勝ちっ放しが日本人大関2人となった。稀勢の里は臥牙丸を寄り切り、琴奨菊は阿覧を寄り切ってともに4連勝。大関把瑠都は小結安美錦の上手出し投げに初黒星を喫した。横綱白鵬は妙義龍をはたき込み、日馬富士、鶴竜の大関陣も勝ち、それぞれ3勝目を挙げた。大関琴欧洲は連敗を止め2勝目を挙げた。平幕では栃煌山、碧山、魁聖が4連勝。
稀勢の里と琴奨菊。期待の日本人大関2人が、優勝争いの先頭に並び立った。今年の初場所で稀勢の里が大関に昇進して以来、2人が4連勝で並ぶのは初めて。06年初場所の栃東(現玉ノ井親方)以来となる、日本人力士による優勝へ、期待が膨らんできた。
稀勢の里は立ち合いで巨漢の臥牙丸を組み止め、右上手を引きながら慎重に寄り切った。左おっつけや突き押しが得意だが、四つ相撲でも安定感を見せ「立ち合いは一発でもっていかれないようにした。調子はどうかな。いいと思ってはいない。集中しているからかな」と、機嫌よく話した。
先場所は初日から2連敗で9勝止まり。調整失敗を認め「もうあんなことにならないようにしたい」と心に期した。場所前に「あと5キロ絞りたい」と話したとおり、暴飲暴食を戒め、体のキレも増している。
親方衆からは、昨年11月に急逝した先代鳴戸親方(元横綱隆の里)から続く、出稽古を禁ずる鳴戸部屋の方針を疑問視する声がある。今場所は二所ノ関一門の連合稽古が異例の3日連続で行われ、琴奨菊、琴欧洲と稽古を積んだ。加えて、横綱白鵬が鳴戸部屋に稽古に訪れた日もあり、いつにない密度の濃い稽古が生きている。
一方の琴奨菊は、鋭い立ち合いからがぶり寄って阿覧に完勝。今場所から相手により立ち合いを微調整しているといい、その中の4連勝に「チャレンジして勝っているのが大きい」と笑顔を見せた。
史上初の6大関。稀勢の里は「簡単なこと。力を付けること。一番強い人が抜け出す」といい、琴奨菊は「存在感を見せたい」という。白星を重ね、有言実行としたい。
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