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琴奨菊、4年ぶりの日本人力士単独首位

 豪風をつきおとしで下す琴奨菊(左)=撮影・会津智海
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 豪風をつきおとしで下す琴奨菊(左)=撮影・会津智海

 「大相撲夏場所5日目」(10日、両国国技館)

 大関琴奨菊は突き落としで豪風を下し、5連勝で優勝争いの単独トップに立った。日本人力士の単独首位は、2008年九州場所7日目の雅山以来。

 琴奨菊が止まらない。低く当たる豪風を、瞬間に左からいなして突き落とした。決着まで0秒9。初日から所要時間が6秒9、5秒6、4秒2、2秒9と、“瞬殺”に磨きがかかってきた。

 左差しを嫌って右を固めてくる相手を逆手に取った。得意の左四つにならずに積み重ねた白星を「意外と持っているんですよ、オレ。やらなかっただけで」と胸を張った。5連勝には「うれしいですね」と笑顔だった。

 先場所で左手首を負傷した。詳細は語らず「チャレンジできている」と、好調の要因を口にする。立ち合いなどの工夫が奏功している。

 場所直前に琴奨菊から「いろいろ試していいですか」と問われ、賛同した師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「土俵で迷いがない。試していることが結果になっている。先代(故元横綱琴桜)も話したが、ケガしたときこそいい相撲が取れる」と述べた。

 観戦に訪れた横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長(元日本経済新聞社社長)は「横綱候補はまだいない」と嘆きつつも「琴奨菊はこのまま10連勝ぐらいして、優勝すれば」と期待を寄せた。横綱白鵬も「期待している一人」と話し、横綱候補か、と水を向けられると「そうだね」とうなずいた。

 前回に日本人力士として雅山が一時単独トップに立った、08年九州場所の優勝者は横綱白鵬だった。今回の琴奨菊は、このまま走りたいところだ。

(2012年5月11日)

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