ありがとう掛布2軍監督ー誕生からの軌跡・上
掛布2軍監督が、28日のウエスタン広島戦(甲子園)で、惜しまれながら阪神のユニホームを脱いだ。背番号「31」復活から約2年。ミスタータイガースが指導者として印した足跡をまとめた。
公開日:2017.9.28
【16年5月3日】甲子園2軍戦に1万人超!
「ウエスタン、阪神1-1広島」(3日、甲子園球場)
お帰り!掛布監督の聖地2軍戦に1万人
お帰りなさい!今季初めて甲子園で行われたウエスタン・リーグの阪神-広島戦に、1万93人のファンが訪れた。お目当てはもちろん、聖地初采配となった阪神・掛布雅之2軍監督(60)。背番号31を身にまとった自らも大歓声を浴びたが、若虎をいつも以上に奮起させたたくさんのファンの熱視線に感謝した。「これだけのファンの方が球場に足を運んでファームの試合を見てくれる。すばらしい舞台を作ってくれたからいいゲームができたと思います」
【16年6月19日】愛弟子・中谷プロ初打点
「交流戦、阪神4-8ソフトバンク」(19日、甲子園球場)
中谷プロ初打点 6年目、覚悟の再出発
乾いた打球音とともに、弾丸ライナーがバックスクリーン方向へ伸びていく。0-5の七回1死三塁。阪神・中谷が放った打球はフェンス最上部に直撃し、三走・原口が生還した。プロ6年目、27打席目での初打点。目の覚めるような一打が、自身の「超進化」を予感させた。昨年の正月。「もう、今年ダメだったら終わり」と覚悟を決めた。大振りだったバットの軌道を、右方向を意識したコンパクトスイングに変革。2軍戦で打率・290と結果を残し、その年の5月9日・広島戦(甲子園)でプロ初安打を放った。
だが、どこかもどかしさが残る。単打を狙う消極的な打撃が目立ち、首脳陣もそれが引っかかっていた。そこで今年4月、遠征に帯同せず鳴尾浜でミニキャンプを敢行。掛布2軍監督から「全部崩して、もう一度一からやっていこう」と声を掛けられた。悪癖を矯正し、体を平行に回す打撃フォームを体にたたき込む。本来のフルスイングが戻るまで時間はかからなかった。掛布2軍監督も、納得顔だ。「昨年数字を残して、そこから変えるのは勇気のいること。でも、やっぱり彼の魅力はロングも打てるところだからね。必ず1軍に必要な戦力になるよ」
中谷プロ初打点 6年目、覚悟の再出発
【16年6月30日】金本監督と60分会談、植田、望月らに期待
阪神・金本知憲監督(48)が30日、DeNA戦の試合前に甲子園で掛布雅之2軍監督(61)と直接会談を行った。「3カ月間のファームでの経過報告と今後の方針の話し合いです」と掛布2軍監督。午前の2軍練習中にユニホーム姿で鳴尾浜を離れ、金本監督と約1時間向かい合った。掛布2軍監督は「(名前が出たのは)陽川、横田、あとは(高卒2年目内野手の)植田」と振り返った。
金本-掛布60分会談 望月&植田期待