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【フェブラリーS】兵庫の雄イグナイター 中央“2強”不在でチャンス 22&23年NAR年度代表馬

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 「フェブラリーS・G1」(18日、東京)

 地方馬旋風を再び巻き起こす-。今回地方から府中に乗り込むのは、JBCスプリントの覇者・イグナイター(牡6歳、兵庫・新子雅)、昨年のフェブラリーS6着・スピーディキック(牝5歳、浦和・藤原智)、南関東3冠馬・ミックファイア(牡4歳、大井・渡辺和)の精鋭3頭だ。JRA勢の前に辛酸をなめ続けている地方勢だが、レモンポップやウシュバテソーロが不在ならばチャンスは十分。99年のメイセイオペラ以来となる地方馬Vへ、三本の矢が四半世紀ぶりの快挙に挑む。

 22&23年と2年連続でNAR年度代表馬に輝いた地方最強イグナイターが、24年の始動戦としてJRAのG1に参戦する。古巣JRAでの出走は21年6月のユニコーンS(12着)以来、2年8カ月ぶりとなる。

 今回の出走馬決定賞金は2億6460万円で堂々の1位。これまでの活躍と実力を証明し、国際グレード格付けのG1初挑戦で受けて立つ側になった。「G1なので、それなりのメンバーはそろっている。前走で(交流)G1を勝っているので気負ったところはない。気楽に臨みたい」と新子雅師は自信をのぞかせる。

 前走のJBCスプリントでJRA勢を撃破してJpn1を初制覇。2走前も同じJpn1の南部杯で2着。レモンポップには大差をつけられたが、その他のJRA勢はきっちりと封じ込めた。

 前走後はサウジC(24日・キングアブドゥルアジーズ)への挑戦も視野に入れていたが、フェブラリーSを選択。春シーズンの目標をJpn1に昇格したさきたま杯(6月19日・浦和)連覇に定め、国内専念の調整が有利と判断した。

 勝算はある。「南部杯同様に左回りの千六は合うと思う」と新子雅師。また、昨年覇者のレモンポップをはじめ、JRAのダート強豪馬はサウジCに参戦。実績で負ける相手はいない。「いつものフェブラリーSとは違う雰囲気」と指揮官はチャンスが膨らむのを実感する。

 イグナイターが勝てば99年のメイセイオペラ以来、25年ぶりに地方馬によるG1制覇の快挙。さらに、3年連続のNAR年度代表馬も確実になるだろう。「調整は今まで通りで変わらない」。14日の最終追い切りは指揮官自らが騎乗して、究極の仕上げを目指す。

 ◆第16回フェブラリーS・VTR(1999年1月31日、東京競馬場)

 中央初参戦で、地方から唯一の出走となった“岩手の英雄”メイセイオペラは名手・菅原勲を背に、1番人気こそワシントンカラーに譲ったが、2番人気で臨んだ。5枠9番から好発を決め、5番手で追走。手応え良く4コーナーを回ると、徐々に上位へ進出し、直線で一気にスパート。残り200メートルで突き抜け、15頭のJRA勢を尻目に2着馬に2馬身差の圧勝劇を演じ、地方馬初のJRA・G1制覇を果たした。ちなみに翌年のフェブラリーSにも出走したが、3番人気で4着に終わった。

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